サイエンスボーテ・大坂社長、異色の経歴持つ若き経営者がラジオ電波で化粧品を発信

週刊粧業 2009年9月7日号 7ページ

カンタンに言うと

サイエンスボーテ・大坂社長、異色の経歴持つ若き経営者がラジオ電波で化粧品を発信


行商の売上は留学の渡航費用に

 さしあたって“ファミコン所有者”という点で同級生に肩を並べようと、父親に「ファミコンが欲しい」と直訴するも小4の願いは叶わなかった。お年玉をもらっていなかったという大坂少年は、そこで父親に「だったら稼ぐ方法を教えて欲しい」と直訴を「相談」にすげ替えた。

 父は息子を裏山へ連れていくと、生い茂る緑を前に 「正月用の飾りとして、葉っぱを束ねて売ってみろ」と指南。作り方のレクチャーや、 売り方の指導はなかった。

  「飾り餅の間に挟む葉っぱがありますよね。あれを作って自転車に積んで山鹿市(熊本県)じゅうを売り回った。ピンポーンとチャイムを鳴らして戸別訪問し、『おばちゃん、こんにちは』と礼節でアピールすると、350~500円の飾りがよう売れました。この時、自分が作った物で人に喜んでもらえるという替え難い感激を知った。事業をやるうえで、今でもプラスになっています」

 待望のファミコンを買った以外は、総売上を事業発案者である父親に渡した。

 翌年は親友を巻き込んで2人体制が整うと、戸別訪問にプラス、了解を得てスーパーの軒先で店頭販売も始めた。中学2年生まで“行商”を継続したのち、父親がしっかり貯金していた歴年の売上高は、15歳の大坂少年に起こった留学希望を叶える渡航費用へと使い道が決まった。

 米シアトルで「アメリカって凄いな~。いつかここで仕事がしたい」とカルチャーショックに震える傍ら、「ふっと、牛の糞を広げていた頃とのギャップを感じ、当時の自分を『追い越したゼ』という気持ちがした」と当時を振り返る。

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