近年の男性化粧品市場の拡大を後押ししているものの1つに、主に20~30代の若い世代に多い「草食系男子」の存在が挙げられる。
彼らのスキンケア意識の向上により、市場は今、機能性を追求した製品で溢れ、各社の競争も激化している。さらに、購入層も若年層に加え、ビジネスマンなどの中高年層にも広がりを見せている。
先日、こうした中高年層を「アラフォー男性」と名づけ、彼らの時代背景や美容意識に焦点を当てたセミナーに参加したのだが、主催したメーカーはこのアラフォー男性を有望市場と見込み、製品開発に力を入れるという。
同時に、「草食系男子が今後アラフォー世代に差し掛かった際には、現在のアラフォー男性以上に大きな市場になる」とも予測した。
アラフォー世代となり経済力を身につけた草食系男子が、化粧品への投資を惜しまないとすれば、既に一部で導入されている男性化粧品専用カウンターが、百貨店に乱立する時代が遠くない将来にやってくるかもしれない。
あるメーカー関係者は以前、こうした現象を「男性の女性化」と表現した。草食系男子の増殖は、メーカーにとって歓迎すべき現象かもしれないが、果たして世の中の女性たちにとってはどうなのか……。