特集テーマに絡んで、3人の工場長から話を聞くことに。その中で、印象に残っていることがある。
それは、工場のスタッフは機械が稼働している間は手を休めることはおろか、一息つく余裕すらなく、黙々と作業を続けているということ。ある工場長は溜息混じりに「大変ですよ」と言っていた。
筆者の場合は、日頃の外出(取材)がある意味で多少の気分転換にはなるし、それによって帰社後も「さあ、やるぞ」と気合を入れ直しやすくもなる。原稿締切日が迫る中、パソコン画面を見つめるだけで、手が全く動かないことだって頻繁にあるが、そんなときでも、ある程度自分の思うがままのタイミングで一息つくことはできる。
でも、工場は違うのだ。だから余計に、彼らの集中力と忍耐力に感心させられたし、多くの化粧品がこうした末端の製造現場で働く人たちの努力の上に成り立っているということも、強く感じることとなった。
その一方で、数年前までの好業績を支えた例えば自動車メーカーが、不況を理由に“派遣切り”に走る行為は、やはり冷酷すぎるなと怒りが湧いてくる。
「工場長に会いたい」。この特集で、製造現場の隠れた努力が読者に伝わってくれればと思う。
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