日本色材工業研究所 は2000年2月にフランスの医薬品・化粧品OEMを展開するテプニエ (THEPENIER PHARMA INDUSTRIE S. A. S.) を買収し、 今期 (2011年2月期) は子会社テプニエの業績もフランス国内市場向けスキンケア化粧品や欧州市場向け薬用歯磨きの売上が堅調に推移しており、 第2四半期までに単年度黒字ペースに乗せている。
同社の奥村浩士社長によると、 海外進出の足掛かりを模索した2000年当時、 「世界の女性に当社の品質を認めてもらうため、 選ぶ舞台は中国よりもヨーロッパの方が魅力は高い」 という結論に達し、 テプニエを子会社化した。
買収直後の1年間は親会社としてテプニエを静観した。 この期間を通じ、 奥村社長は 「テプニエは完全な下請け型の会社で、 提案型営業が身上の当社とは企業文化に大きな隔たりがあった。 また、 想像以上に大きかった 『言葉の壁』 もあり、 これを埋めるのは容易ではないとわかった」 と分析して各種対策を講じてきた。
テプニエは2009年に法人組織の変更を行い、 奥村社長がトップを兼任する体制へ移行した。 これを契機に、 隔週で行う国際会議の開催や幹部社員間の意思疎通を高めて 「問題意識の共有に徹底して取り組んだ」 ことが奏功。 満を持した格好で 「親会社を見るテプニエの目が変わった」 という。
2社間に意思の通じた連帯感が醸成されるとともに、 外的な商環境にも追い風が吹いた。 10年間の提案を重ねても叶わなかった仏大手メーカーからの新規受注が実現し、 これによりヨーロッパ有力メーカー全社の網羅が叶った。
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この記事は週刊粧業 掲載
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