東日本大震災により大打撃を受けた地域卸の東流社(本社=仙台市)が、東北地方を中心に周辺エリアをカバーする卸機能の正常化に向けて、懸命な作業を続けている。
同社は22日、寺嶋大祐会長(写真)と芳賀愉一郎社長の連名で、取引先メーカー宛てに一通の文書を送付した。この文書で同社は、東北にベースを置く卸会社としての使命に触れ、取引先販売店や避難民への迅速な商品供給に全力で取り組む姿勢を強く示している。
被災地の小売店舗では、生活物資を中心とする商品不足が指摘されているが、各店からは同社に対しても「何とか力を貸してほしいという切実なご要請」が寄せられているという。
自社が大きな被害に遭いながらも消費者への商品供給に強い信念を燃やす小売各社の意向もあり、同社は震災発生の翌日から無休で懸命の対応を続けてきた。
仙台市に拠点を置く同社も震災で大きな被害を受けているが、安否不明だった残りの従業員1人とも16日に連絡がつながり、全従業員の無事が確認された。現在も避難生活を続ける社員も多くいるが、社内・社員間で励まし合って業務を行っているという。
地震発生直後から続いた本社の停電状態は17日夜に通電し、震災から1週間ぶりとなる翌18日朝からサーバーやパソコンの使用も可能になった。
損傷した本社建物は、危険箇所をブルーシートで覆うなどの応急処置で対応。事務所や倉庫の整理も完了し、通常に近いかたちで業務を進められる状況にまで急ピッチで回復させた。
本社機能の復帰を受け、現在、被災地域への商品供給に向けて「全社一丸で努力」している真っ只中だ。
文書には、この震災被害を乗り越えるため「みんな頑張ろう!!頑張ろう東流社!!新たな復活をみんなの力で!!」という力強いスローガンを掲げたことも記されている。
また、各地の取引先メーカーに対して、最大の被災地となった東北エリアへの優先的な商品供給に協力を依頼する文言を加えている。
この記事は週刊粧業 掲載
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