――昨夏に容器商社とOEM子会社を統合。融和は目論見どおりに進んでいますか。
角嶋 容器でお世話になっている企業さんが、ウチに中身の注文を出せたら利便性が高まるのではないか――。それがOEMの別会社をケイズへ統合する発想の出発点だった。
実際、容器の接点でつながる相手様で中身の話に発展するケースは少なくない。商談における自然な流れのなかで、「中身で困っている」という申し出に可能な範囲の対応をしている。特徴的な原料やバルクを、無理矢理の営業手法で売り込んでいるわけではない。
現状で、お取引先から(統合前とは)違った角度の宿題をいただくようになった。そんな宿題と向き合ううち、開発営業部が徐々に力をつけ始め、知恵も増してきている。
こうした当社のスタイルを一定のお客様が必要とするか否かは、市場への「問いかけ」だと思う。どういった答えが出るのか、まだまだ動いてみなければ分からない。
――誤解を恐れずにいうと容器の“ついで”に取り組むOEMといった外野の声はありませんか。
角嶋 ある。そういう指摘も甘んじて受ける。ただ、“ついで”は「面倒」を解消する力を持つ。
面倒に対応していくことで、新しい価値観が出て来ることだってある。「ついで」を「便利だ」と理解してくださる見方や評価が、世の中にはあると思う。一方で、専門性こそ尊いことから、当社の選択はやっぱり「挑戦」といえる。
――便利屋が昇華した際、どんなOEMカラーを打ち出しますか。
角嶋 末端が発する「欲しい」にリーチできるOEMになりたい。また、便利追求が2社を統合した理由だったからには、そこを踏み外さず小回りを利かせたスタイルを研ぎ澄ましていく。
この記事は週刊粧業 2012年2月20日号 12ページ 掲載
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