コーセー、アスタキサンチン配合の美容液が"小ジワ"表記で好調な動き

週刊粧業

2012年3月21日 11:43

週刊粧業制度品メーカーマーケティング戦略

カンタンに言うと

　コーセーは、主に40代向けのブランド「グランデーヌルクサージュ」のクリーム状美容液「アスタマックスエッセンス」（5000円）が新機能を前面に押し出した販促プロモーションが奏功するかたちで好調な売れ行きを見せている。

　同社広報室によると、具体的には「目元、口元の乾燥による小ジワ、目立たせない」といった文言を、昨年9月の発売とともにTVCMや雑誌、店頭ポスターなどを通して訴求したところ、「肌効果が消費者にわかりやすく伝わり、長期間にわたって（販売が）伸びている」という。「前年に発売したリフトアップの類似製品と比べても格段に多くの方にご愛用いただいている」ことから、「表示効果は大きい」と分析。従来よりも具体性を帯びた訴求フレーズが消費者心理に効果的に作用し、「試そうとするいいキッカケになった」としている。

　新機能の効果を裏付ける製品力も、好調な販売を支える要素の1つだ。

　同社は、天然の赤い色素を特徴とする「アスタキサンチン」の高い抗酸化力に20年以上前から着目し、化粧品への配合が難しいとされる中、1999年に業界でいち早く製品化を実現した。同品では、そのアスタキサンチンを生体類似成分のリン脂質でカプセル化し、より安定的に配合することを可能にするなどバージョンアップを遂げており、製品や成分面での優位性も販売増につながったと見てよさそうだ。

　今年は3月1日から、この美容液と、同じブランドの化粧水と乳液のミニサイズをセットにしたトライアルキット（5000円）を限定発売。「好調に動いている」ことから、愛用者の一層の広がりに期待が高まっている。

　現在、同社が新機能を販促に活用した実例は同品だけにとどまるが、今後は現状の取り組みを継続して地道に伝えていくことに加え、消費者にとっても親切で選びやすい、効果のある製品については積極的に取り組んでいく方針だ。