週刊粧業 2024年1月1日号
化粧品OEMにおける製品開発にかかる費用は、多岐にわたります。バルク(化粧品の中身)のみの費用は、おおよそ化粧水(100本単位1本500円、1000本単位1本300円)、美容液(100本単位1本600円、1000本単位1本400円)、クリーム(100本単位1本600円、1000本単位1本400円)程度とされています。トータルの費用につきましては、ロット数が100本であれば、パッケージングデザイン費用なども別途かかることになるため、1本あたり1000~3000円はかかると考えておくべきです。
以下に一般的な費用項目を挙げてみますが、実際の費用はプロジェクトの規模や要件によって異なります。
原料調達費用: 化粧品の製造に必要な原材料の調達費用が含まれます。これには主要な成分や添加剤、香料、着色料などが含まれます。
製品開発費用: 新製品の開発に関連する費用です。これには新しい製品の配合開発、安定性テスト、効能評価、品質管理などが含まれます。
パッケージングデザイン費用: 製品のパッケージングやラベルのデザインに関連する費用です。ブランドのイメージや製品の魅力を伝えるためにデザインを行います。
製造費用: 実際の製造プロセスに関連する費用です。製品の生産ラインのセットアップ、生産作業、検査、包装などが含まれます。
品質管理費用: 製品の品質管理に関連する費用です。製品の品質検査、テスト、品質管理システムの実装などが含まれます。
法規制適合費用: 製品が規制に適合するための費用です。製品の安全性評価、法規制への適合テスト、規制認証費用などが含まれます。
これらの費用は、化粧品の種類や目的、市場への導入計画などによって異なります。また、製品の開発プロセスにおいては、各段階での費用が異なることも考慮する必要があります。
化粧品OEMにおける製品化までの期間は、様々な要因によって異なります。以下に一般的なプロセスとそれぞれの段階での所要時間の目安を挙げてみますが、実際の所要時間はプロジェクトの規模や複雑さによって変わります。
製品開発: 化粧品の新製品を開発する段階です。これには製品の配合開発、安定性テスト、効能評価などが含まれます。通常、数カ月から1年以上かかることがあります。
パッケージングデザイン: 製品のパッケージングやラベルのデザインを行う段階です。デザインの構想から完成までには通常数週間から数カ月かかることがあります。
原料調達: 化粧品製造に必要な原材料の調達を行う段階です。原料の入手や手配には数週間から数カ月かかることがあります。
製造: 実際の製造プロセスを行う段階です。製品の生産ラインのセットアップや製造作業、検査、包装などが含まれます。製品の量や複雑さによって異なりますが、通常数週間から数カ月かかることがあります。
品質管理: 製品の品質管理を行う段階です。製品の品質検査やテスト、品質管理システムの実装などが含まれます。数週間から数カ月かかることがあります。
以上の各段階の所要時間を合計すると、製品化までには化粧品OEMメーカーが保有する処方を活用しても最低5~6カ月、新しく処方を開発する場合で通常1年程度かかります。
化粧品OEMの最小ロットは、製造する釜の大きさや仕入れ容器のロットの兼ね合いもあり、一般的に3000個~で設定されています。ただし、100~1000個といった小ロットで対応可能な場合もあります。中には50個~という極小ロットに対応する化粧品OEMメーカーもあります。製造ロットが少なければ少ないほど、当然ながら1本あたりの製造単価は高くなる傾向があります。
小ロットのデメリットにつきましては、おシゴト粧界ナビの化粧品OEM講座「発注ロットの考え方」に詳しく記述されています。
※初回発注ロットの基本的な目安としては、向こう6カ月間の販売予定個数の合計ぐらいが適当だと言われております。例えば、1カ月目に100個販売、2カ月目に200個販売、3カ月目に300個販売、…、6カ月目に600個販売という販売計画であれば、その合計の2100個が初回発注ロットという具合に考えられます。在庫リスクを恐れるあまり過少に初回ロットを見積もって発注してしまうと欠品リスクが発生してしまい、ブランドイメージの低下、販売機会の喪失、なにより顧客からの信用を失うことにつながるため適正なロット数で製造を依頼することが重要になります。
化粧品販売ビジネスへ新規参入をお考えの方が疑問に思われることとして、「化粧品を売るためには何か資格や許可は必要なの?」があげられます。まずはその点からご説明します。
結論から申し上げると、化粧品の販売にはライセンスは必要ありませんので販売自体は一般の方でも可能です。この点は疑問に思われる方も多くいらっしゃいますので、もう少し踏み込んで解説します。
正確には、化粧品を製造して市場で販売するためには2つの許可(免許)が必要です。
1つ目は「化粧品製造業許可」、2つ目は「化粧品製造販売業許可」です。くわしくはおシゴト粧界ナビの化粧品OEM講座「化粧品を販売するためには」をご覧ください。
この記事は週刊粧業 2024年1月1日号 掲載
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