「ベビーコスメは『愛情』を形にするもの」――今回の取材を通して感じたことだ。近年、美容と健康への意識の高まりによって、幼少期からの早期ケアが注目される中、産婦人科医や小児科医などの専門医師も新生児や乳幼児からのケア意識を啓発している。それに併せてベビーコスメ市場も、肌トラブルを予防、あるいはケアする製品が増えてきた。
そうした中、インターネットなどで情報を簡単に得られる現代は、子育てに対して、過度に神経質な親・家族が増えているともいわれている。過剰な予防意識は、かえって赤ちゃんの発育に悪影響を及ぼすこともある。
そのため、ベビーコスメを展開する各メーカーは、製品展開とともに、赤ちゃんとの生活の中で生じる不安や悩みなどに対し、Webや冊子、イベントなどを通して子育て全般に関するアドバイスや情報を提供しており、その一環として、ベビーコスメの正しい使用法を提唱している。
今回取り上げた4社(和光堂、ディーエイチシー、持田ヘルスケア、おもちゃ箱)の製品(シリーズ)は、クリームやローションといったスキンケアから、沐浴、虫よけ、日やけ止めなど目的や用途のほか、配合する成分もそれぞれ異なるものの、「赤ちゃんの肌をやさしく守る」という根幹コンセプトを共通にもつ。
ベビーコスメが大人の化粧品と大きく異なるのは、「肌に補う」のではなく「肌を守る」ことにフォーカスし、赤ちゃんに「必要な成分だけ」を配合していることである。
しかし、ベビーコスメは、中身の配合成分へのこだわりだけでは商品としての価値を充分に認めてもらえない。容器やキャップなどの外装が持ちやすさや使い勝手を訴求しているか、容器と製剤がマッチしているかなど、安心して安全に使用できるかどうかが、好まれる条件の1つとしてあるようだ。
※画像はハイム化粧品「チャイルドシリーズ」の4商品
※ベビーコスメ、ティーンコスメの商品戦略はコチラ
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