日本化粧品工業連合会(粧工連、前田新造会長)は、かねてより紫外線防止用化粧品(日やけ・日やけ止め用化粧品)の紫外線防止効果を測定するための試験方法として、「SPF測定法基準」「UVA防止効果測定法基準」を策定し、業界自主基準として定めてきたが、このほど、両基準ともにISO(国際標準化機構)からIS(国際規格)として発行されたことを受け、これを業界自主基準とすることを決定した。
また、ISOの両規格とも従前の粧工連自主基準と大きな相違はなく、原則として、従前の測定基準で測定した「SPF算出値」や「UVA防止効果表示方法(いわゆるPA表示方法)」が変更されることはない。
ただし、今回の措置により、UVA防止効果が高い製品において、より細やかな分類表示が可能となったことから、新たに「PA++++」表示を加えることとなった。このため、従前の測定基準で「PA+++」となっていた製品の中には、今後、改定された測定基準に従い測定を行うことにより、「PA++++」表示が可能となるものも予想される。
なお、この「PA++++」表示については、2013年1月1日から使用できる。
粧工連は、これまで紫外線防止用化粧品の紫外線防止効果に関する自主基準の制定と国際的なハーモナイゼーションに対して、長年にわたり積極的な活動を行ってきた。
最初の活動として、1992年1月に、紫外線防止用化粧品の機能評価法としてのSPF測定法と表示方法からなる「SPF測定法基準」を粧工連の自主基準として設定し、日本国内における紫外線防止効果測定法、紫外線防止効果表示法の統一化をはかった。その後は、表示方法の変更を主眼とした1999年改定版を経て、SPF測定法自体の海外主要国との調整を図り、その結果を反映したSPF測定法基準の2003年改定版、2007年改定版を設定し、測定法の国際的な統一化に向けた活動を行ってきた。
また、紫外線の皮膚に及ぼす悪影響を防止するためには日やけだけではなく、日やけには影響度の少ないUVAも防止する必要があることが認識されるようになったため、1995年11月にUVAの測定法と表示方法からなる「UVA防止効果測定法基準」を粧工連の自主基準として設定した。
このUVA測定法基準は、世界に先駆けたUVA防止効果の測定法として、国際的にも評価されており、「UVA防止効果測定法基準」における防止効果の表示方法は、測定の結果得られた数値を整数で記載するSPFとは異なり、Protection Grade of UVA(PA)のグレード表示を採用し、今日におけるUVA防御に対する日本国内の意識定着に貢献してきた。
一方2006年、International Organization for Standardization(ISO=国際標準化機構)のTC217(「化粧品」に関する技術委員会)に、WG7として紫外線防止効果の測定法を検討するためのワーキンググループが設立され、SPF測定法、UVA防止効果測定法の検討が始まり、2010年11月にはIn vivo SPF測定法、2011年12月にはIn vivo UVA防止効果測定法がInternational Standard(IS=国際規格)として制定され、国際ハーモナイゼーションが進むこととなった。
この間、粧工連はISO TC217 WG7にも積極的に参加し、より適切な方法がISとして認められるための活動を行ってきたが、これら2つの測定法がISとなったため、粧工連の自主基準の改定を検討し、In vivo SPF測定法については2011年10月に、In vivo UVA防止効果測定法については2012年6月に自主基準として取り入れることを決定していた。
この記事は粧業日報 掲載
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