カネボウ化粧品はこのほど、事業方針説明会を開催し、夏坂真澄社長が新たな成長戦略を語った。夏坂社長は「先輩が築いた伝統を受け継ぎ、時代の変化にも対応していく」と、伝統を革新を原動力にグローバルプレーヤーを目指す方針を明らかにした。
かつての化粧品業界はトップメーカーの動向をうかがい、国内同業者との戦いで市場を活性化してきた。しかし現在は競争相手が多様化し、チャネルや価格の壁もなくなりつつある。
「国内では化粧品のセルフ化が進み、ネット販売が台頭した。化粧の意義も、個性を生かすという本来の目的に戻りつつある。これはフォローの風と言える。10年前は60%がカウンセリングを通じた化粧品購入を求めていたが、2009年にはそれが40%まで低下した。しかし以後4年間、その数字は安定している。お客様はしっかりした情報を求めており、我々が攻められる環境になった。化粧品業界の潮目が変わった」
一方海外では、欧州の市場が堅調に推移し、成長市場であるアジアでは10~20ドルのマスからプレミアムマス市場の伸長が顕著だ。
「大切なのはカネボウ化粧品でなくてはならないことをいかにつくっていくか。トップメーカーへの追随を立ちきり、独自性にこだわる。また、リスクや傷みを伴わなければ、成長はない」
このような状況を踏まえ、新たな事業ビジョンの1つとして、「世界をリードするユニークな化粧品会社」を掲げた。早期に海外売上比率を30%にするとともに、機能と感性を兼ね備えた商品づくりを目指す。
「五感で感じる品質が当社の強みであり、この2つの要素がユニークネスの土台になる」
夏坂社長はこの他、顧客のリピートを根幹に据えた「最高の顧客満足を提供する会社」、社員満足の向上が最高の商品と最高のサービスを開発するという「社員満足と顧客満足の好循環」を新事業ビジョンとしてあげた。(以下、省略)
【カネボウ化粧品の詳細な重点施策・目標】
◎海外5ブランド、国内7ブランドを重点強化
◎2015年度の国内業績目標、売上げ、取扱店ともに2.5%増へ
【記事】夏坂社長、「伝統と革新をキーワードに真のグローバルプレーヤーへ」
【PDFダウンロード】「カネボウ・夏坂社長インタビュー」はこちら
【PDFダウンロード】「カネボウ・コーセーの事業戦略とは」はこちら
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この記事は週刊粧業 掲載
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