三洋化学工業、クリエイティブ施設「TOY BOX」容器の試作品をわずか1日で提供

カンタンに言うと

三洋化学工業、クリエイティブ施設「TOY BOX」容器の試作品をわずか1日で提供

 三洋化学工業は5月下旬に容器づくりのクリエイティブ機能を集約した施設「TOY BOX」を大阪市内にオープンする。容器の試作品をほぼ1日で完成させるというスピーディな対応で顧客満足をはかっていく。井上厚弘社長に新施設を案内してもらった。

扉の向こうに容器の世界
劇場型提案施設で交流も

 「TOY BOX」は地上5階建てで、各フロアごとにコンセプトを設定し、独自の世界観を築いた。総工費は約1億円。敷地面積は約50坪、延床面積は約120坪。

 通常、試作品の製作は複数の業者が携わるため何十日もかかることが多いが、ここでは製造設備や技術を集約させることでほぼ1日で試作品をつくることができる。

 「ドアーズ」と命名された5階は「異次元のトビラ」をテーマに壁に様々な色とサイズの扉を設置した。

 「扉の中に容器をディスプレイする什器を設置し、オリジナル容器『真秀』(まほら)、『風雅』(ふうが)の可能性を表現する。中には魚眼レンズののぞき穴から中をみてもらう扉や、開けると空調の通気口であるフェイク(扉に見せかけているもの)扉もある。扉を1つずつ開けてもらう楽しみを訴求したかった」

 異次元空間につながるかもしれない扉に囲まれる形でつくられたのが、ミーティングコーナー「アニマルパラダイス」だ。ここではアニマルチェアに腰掛けて打ち合わせをする。周囲には柵が張り巡らされ、とても不思議な空間である。
 「私のアイデアを皆が具現化してくれた。動物に座るというアイデアは最初は誰も信じてくれなかったが―。扉を開けるわくわく感など、ここでの作業1つ1つが印象に残るに違いない」

 4階は劇場型提案施設「テアトル加美」。

 スクリーンを設置し、プレゼンテーションをはじめ、トークショーなどのライブイベントも行う予定だ。ここにはレトロテイストあふれるソファーやテーブルが並び、ひな壇の床に座って観ることもできる。

 「ここでは容器の啓蒙と、当社のことを知ってもらうための活動をする。試作品の立ち会いでは、お客さまを機械の前で立ったままおまたせしてしまうことが多いが、これなら完成までくつろぎながらお待ちいただける。その間にここでプレゼンテーションをきいてもらうこともできる。お客さまがストレスを感じることなく、リラックスした状態で仕事ができる空間にしたい」

 ソファーやテーブルに座り、対話型プレゼンテーションを繰り広げ、観客と演者が渾然一体となれる空間を目指す。イベントでは「もっといい仕事がしたい」という向上心あふれる人達が集まり、自然発生的にアイデアが生まれるのが理想だという。「業界を問わず感度の高い人々が集まり、その中でおもしろく、付加価値のある仕事ができれば」と井上社長は期待を寄せる。

 バーカウンターも設置し、簡単な料理や飲み物も提供する。内装はレンガは白と黒、照明やソファーは赤と青でコントラストを出すなど、装飾にも工夫が施されている。

 3階はデザインを行う「アトリエ」、2階は2~3次加工をして試作品を仕上げる工房室「クラフト」で、1階はまだ未定。「CITE Japan 2013」開催前後には顧客への案内をスタートする予定だ。

ブースを2カ所に出展
工場テーマに原点回帰

 「CITE Japan 2013」ではブースを2カ所設置し、スタンプを集めてもらうなどのオリエンテーリング機能を盛り込む。1つのブースではエコロジーな「テコ」シリーズをオリジナルキャラクター「テコネコ」が紹介し、もう1つのブースでは「工場」をテーマに東大阪の町工場を思わせる少し古めかしいテイストで職人の世界を表現する。

 「私が最初に出したテーマ『廃墟』を進化させたのが『工場』である。我々は想像力を生かしたモノづくりの仕事をしているので、今回は原点回帰をはかり、『量産できる職人芸』の世界をブースを通じて伝えていきたい」

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