精英堂印刷、パッケージを比較検討できる商談の場として展示会活用

カンタンに言うと

精英堂印刷、パッケージを比較検討できる商談の場として展示会活用

 トータルパッケージ創造集団の精英堂印刷は第4回化粧品開発展に出展し、化粧品や健康食品などヘルス&ビューティ業界に向け、高機能で使いやすいパッケージや特殊印刷などの世界を様々な形で紹介する。

 女性の来場者が多数訪れる化粧品業界向けの展示会として、今年も女性スタッフの活躍が期待される。渡部茂取締役生産技術部部長と同部の遠藤菜央氏に、展示会に向けた取り組みについてたずねた。

新形状パッケージを発表
ラベルコンテスト受賞作も

 「インターフェックスジャパン」と「化粧品開発展」への出展は今回で7回目となる。渡部氏はこの展示会について「年間で一番力を入れている、最も重要な展示会である」と語る。

 「当社は伸びている産業として化粧品業界に注目して技術開発を進めている。また、化粧品開発展は毎年規模が拡大し、今年は出展社も来場者も昨年の1.5倍の規模での開催が見込まれている」(渡部氏)

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 このように年々規模を拡大している「化粧品開発展」に期待を寄せる同社のブーステーマは「比較」。類似した印刷加工作品を並べ、仕上がり感やコストの違いを比較してもらう。例えば、ソフトタッチPPとソフトタッチニス、銀紙とシルバーコーテット、パール原紙とパールコーテットを並べてそれぞれの特長とコストの違いがわかるように展示する。

 「比較は19パターンを用意する予定。それぞれの現物を展示し、見せるだけではなく、コストメリットの面でも提案する。パッケージを比較検討する商談の場として展示会を活用し、次につなげていきたい」(渡部氏)

 比較の中には従来の水あり印刷と同社が奨励している水なし印刷も含まれている。マイクロ文字を表示し、水なし印刷によるにじみの少ない鮮明な再現力を実感してもらう。「水ありの上を行く水なし印刷」として、水なし印刷によるレンチキュラー印刷(立体画像印刷)も紹介し、その豊かな表現力がもたらす付加価値を訪れる人に提案する。水なしのレンチキュラー印刷は高度な技術が求められることから注目されそうだ。

 化粧品メーカーが多数訪れる「化粧品開発展」は女性の来場者が多い。女性が入りやすい華やかできれいなブースづくりが必須条件であるとし、今年も白を基調とした清潔感あふれるブースを用意する。場所は西2ホール出入り口付近という好ロケーション。メイン動線に位置するため、多くの来場者の訪問が期待できる。

 今回は「商談できる展示会」を目指して見直しをかけた。展示会のプロジェクトチームは営業と製造に分かれているが、営業が顧客情報収集や展示会のやりとりを製造の場にフィードバックする。これが来場者の必要とするブースづくりやプレゼンテーションにつながる。

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 ブースには昨年同様、多種多様なパッケージを並べる。前回は白、黒、赤、青の4色展開でシンプルなインパクトを訴求したが、今回は様々な色やデザインを取り入れたパッケージで華やかさを演出する。さらに、最新技術と斬新なデザインによる新形状パッケージも発表する。

 毎年、オリジナルカレンダーや、シール・ラベルコンテスト出展作品も展示する。

 今年のシール・ラベルコンテストは例年より開催時期が早まり、6月半ばに結果が発表された。今年は日本印刷産業連合会会長賞を受賞した。

 「今回の出品作品は新潟の麒麟山酒造の大吟醸梅酒のラベル。往年の麒麟と紅白梅をモチーフにしたデザインは、新潟で開催された展示会「にいがた酒の陣」でも注目された。

 にいがた酒の陣では麒麟山酒造のラベルだけではなく、ブースのデザインから麒麟をモチーフにした「きりんちゃんキット」などの販促品まで提案し、採用してもらった。

 これまでの化粧品開発展は「展示する」ということに力を入れていたが、今回の麒麟山酒造の展示会に対する姿勢を目の当たりにし、展示会は「商談の場」であることに改めて気づかされた。これを踏まえ、今年の化粧品開発展ではパッケージをよく見せるだけではなく「商談」も意識した取り組みを行っている。

ユニバーサルデザインの
優位性や重要性アピール

 昨年に続き、ユニバーサルデザインコーディネーター準1級の資格を持つ遠藤氏が中心となり、ユニバーサルデザインを応用したパッケージも提案する。

 「昨年と同じく使いやすく、わかりやすい表示を記載したパッケージを並べる。障害者の方が識別しやすい表示はもちろん、年配層でも読み取りやすい文字サイズ、明確なターゲットや用途の表示、わかりやすい取扱説明などを取り入れた、できるだけ多くの人に使いやすく、わかりやすいパッケージでユニバーサルデザインの魅力を伝えていきたい」(遠藤氏) 

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 化粧品のパッケージはデザインに凝ったものが多くなり、文字表記は小さくなる傾向にある。一方で全成分表示など文字の羅列が多くてわかりづらいものもある。表記が小さすぎたり、用途や使い方がわかりにくかったりすると使い手が残念に思うだけでなく購買にも影響してしまう。商品の魅力が最大限伝わるパッケージづくりをサポートすべく、対応をはかっていく。

 同社ではユニバーサルデザインの提案を強化すべく、ユニバーサルデザインの有資格者を増やしていく計画である。
 このようなわかりやすい表示に加え、開けやすいミシン目入りの封緘シールも提案している。強度がありながら開封しやすく、さらにコストパフォーマンスにも優れていることから前回の展示会で紹介したところ、大きな反響があった。

来場者アンケートを実施
女性視点のおもてなしも

 昨年から実施しているiPadを使った来場者アンケートは、回答者に時間をとらせないよう工夫する。

 「製品説明をする中で自然な流れでアンケートにも答えてもらえる形にしたい。アンケートを通じ、当社のブースのどこに興味を持ってもらえたのかを検証し、次回の展示会に反映させたい」(遠藤氏)

 同社では今春、女性営業職を2名採用した。展示会でも女性を前面に出してアンケートなどのやりとりを行っており、大きな戦力になるよう教育に力を入れている。

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 今月からスタートしたfacebookも女性社員が中心となって立ち上げた。会社紹介だけでなく、本社がある米沢の観光情報なども盛り込んだ、女性目線ならではの豊かな内容に仕上がっている。「https://www.facebook.com/seieido.co.jp

 展示会の招待状にも女性の意見が取り入れられている。

 招待状にマイクロカプセル化したバラの香料インキを使用し、バラのビジュアルにほのかに香りをつけた。

 「このような本格的な案内状を送るのは今回が初めてであり、事前に来場日時をお知らせいただくアポイント制度も取り入れた。展示会を商談の場として活用していきたい」(遠藤氏)

 招待状を開封した瞬間に届く心地よい香りに同社の粋なおもてなしの精神を感じる人は多いはずだ。

 東日本大震災の津波による塩害で稲作が出来ない被災地の田んぼで綿花を栽培し、その商品化や販売を企業が共同で担う「東北コットンプロジェクト」に参加している同社では、今回の展示会用招待状の封筒に東北コットン紙を使用した。さらに、環境にやさしいライスインキも東北産を採用している。

 「この封筒は紙から印刷までを全て東北でまかなった、100%MADE IN東北のもの。東北の復興はまだこれからだが、展示会では東北の印刷会社として、東北の底力をアピールしていきたい」(渡部氏)

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