デパート大手の阪急阪神百貨店(本社=大阪市)は2011年3月に未開の商圏で博多阪急を開業し、以降は現在にかけ顧客基盤のなかった当地で「阪急ファン」の獲得を進めている。
中でも、デパートの定石として稼ぎ頭にあがる食品と婦人衣料に次ぎ、館の「顔」を担う化粧品売場が健闘している。ファンづくりを推進するうえで、定期的な購入機会が生まれる化粧品フロアが集客の牽引役を果たしている。
目と鼻の先にある巨大商業地区の天神を向こうに回し、キーステーションの立ち位置から顧客層の拡大に取り組む同店化粧品売場の進捗を紹介する。(記事全文はこちら)
開店景気が去った時点で
売上げが地域定着を証明
複合商業施設「JR博多シティ」の核店舗に位置づけられた博多阪急は、九州新幹線の全線開通による遠隔からの集客力向上をはじめ、アジアからの旅行者の増加を織り込んだ鳴り物入りの新規出店として注目を集めた。
総投資額200億円による営業面積4万2000㎡(地下1階 地上8階)は、初年度売上高計画を370億円と見込む船出だった。商圏人口は一次・二次を合わせ380万人(192万世帯)と見込んでいた。
以降、博多阪急は直近までに売上高374億6200万円(2013年3月期ベース・対前年比100.5%)を叩き出すデパートへ成長した。関西を中心に展開する全15店舗のうち、「博多」は売上げランクで3番手を占める主力店に駆け上がった。
博多駅の膨大な乗降客を取り込める一方で、至近の商圏には地場大手 岩田屋や関西の同胞にあたる大丸のほか、福岡三越が軒を連ねるなど厳しい競合環境が口を開けて阪急の開業を待ち受けていた。
公益社団法人 九州経済調査協会(福岡市)は商業区として「JR博多駅」と「天神」を比較し、「(店舗の)集積度合いが高い天神は幅広い年齢層をカバーしている。特に岩田屋と三越は高級ブランドが強い」とし、総合的なバイイングパワーは天神が大いに勝っていると説明している。
一方で同調査協会は、こと化粧品について考察すると「(OLが)通勤途中で買い物ができる利便性を考えると、JR博多には魅力がある」との見解を示している。(以下、省略)
【その他の記事内容紹介】
◎博多阪急の化粧品売上高の推移と、それに対する評価
◎化粧品売場で進めている施策、ターゲット顧客
◎化粧品売場のブランド構成と新客育成策
◎対「天神」の先鋒となる諸施策について
この記事は週刊粧業 掲載
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