井田両国堂の前期(2012年11月期)は、天候不順により季節商材の動きが鈍かった上期にやや苦戦したものの、下期にはコストパフォーマンスの高さを特徴とした秋の新商品が好調な売れ行きを示したことなどにより持ち直し、売上高(年商)はほぼ前年並みで推移した。
今上期は、ノンシリコンシャンプーやドラッグストア向けに入り枚数を絞り込んだ低価格フェイスマスクなど新商品の動きがよく、さらにはドラッグストアの出店拡大も追い風となり、売上高は前年同期比で5%伸長している。
なお、今期の業態別構成比は、ドラッグストアが46%、百貨店・専門店(バラエティショップ等)が33%、量販店が16%、その他が5%で、「全般的にみると、化粧品を幅広く扱っている業態が好調で、ドラッグストアが前年に比べ構成比を高めている。ドラッグストア向きの商材がヒットしていることも追い風になっているようだ。一方、専門店がやや苦戦している」(井田隆雄社長)という。
井田社長は、今上期の状況を振り返り化粧品アイテムの動向について、「ヘアケア分野で付加価値の高いノンシリコンシャンプーが好調だ。春の新商品も全般的に堅調に推移しており、販売量は伸びている」と語る。
一方で、単価減の傾向は未だ続いているという。「品質さえ良ければ安いものでいい」というように消費者の購買行動が大きく変化しており、こうした時代にあっては、変化を先取りする形で「(廉価版のフェイスマスクに代表されるように)新しいカテゴリーを創造することで新しい客層を獲得していくことが、化粧品市場全体の成長につながる」との認識を示す。
こうした中、1枚約38円のフェイスマスク「LULULUN(ルルルン)フェイスマスク」(ティーグラウンド)をはじめコストパフォーマンスに優れたアイテムの販売が軒並み好調だという。さらに、最近ではイミュのハトムギ化粧水やエム・オー・シーの肌ジャブローションなど大容量タイプの化粧水を「『お値打ちコスメ』として集積するととてもよく売れる」(井田社長)という。
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この記事は週刊粧業 2013年9月9日号 9ページ 掲載
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