森永エンジニアリングは、殺菌効果を持つ微酸性次亜塩素酸水を製造する装置「ピュアスター」を展開している。
同装置からつくられる「ピュアスター水」は、2~6%濃度の塩酸を電解した次亜塩素酸水で、高い殺菌力がありながら、塩素濃度が極めて低いため、目に入ったり口に含んだりしても安全という。カビや一般的な細菌のみならず、食中毒の原因となる大腸菌O111やO157、サルモネラ菌、さらにアルコールでは効果が低いとされるノロウイルスなどに対しても高い殺菌力を発揮する。
「ピュアスター水」は、有効塩素濃度10~30ppm、pH5.0~6.5の食品添加物だ。このpH値の次亜塩素酸は塩素ガスを発生せず、殺菌効果の根本となる次亜塩素酸を最も多く含んでいるため、臭いがほとんどなく肌に優しいのも特長とする。口に含んでも安全なため、導入企業では機械などの洗浄のほか、手指洗浄やうがい用、食品の洗浄などにも使用されている。
「生活者の衛生意識が急激に高まり、企業も安心・安全に対する取り組みを強化している。インフルエンザやノロウイルスに加え、多剤耐性菌の代表として知られる芽胞に対しても次亜塩素酸水は有効であり、作業者が病原菌から身を守るためにも工場やオフィスに導入する傾向にある」(ピュアスター部 石鍋建彦マネージャー)
現在、1時間に1000リットルを製造する「MP-1000」が好調だ。同モデルは、タッチパネル式のため操作が容易で、水圧や精製量などの運転状況もひと目でわかるように設計されている。海外の日系工場においても導入実績が増えていることから、モニターは日本語、英語、中国語、韓国語の4カ国後に対応している。メンテナンスしやすいように改良し、さらに扱いやすくなったという。
「ピュアスター」は供給タンクとともにユニットとしての提案を強化しており、「タンクを用意しておけば、小型機でも十分に使いこなせる」(石鍋氏)としている。
海外工場へ導入した装置は、中国の代理店を通してメンテナンスをすることも可能で、今後、日系企業の進出が相次ぐタイにも代理店を設け、対応していく予定だ。
「衛生に対する意識はどの業界にも必ず存在する。ウイルスの脅威が高まってくる秋冬に向け、今から対策を取る企業も多い。水道水と同じように使える安全な殺菌水として認知を拡大し、国内外で実績を増やしていく」(石鍋氏)
今後は、工場のプラントに応じて容量やサイズをカスタマイズした装置も提供し、使いやすさを追求していく方針だ。
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この記事は週刊粧業 掲載
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