化粧品製造機器の最新トレンド、「効率化」が強く求められる時代に

週刊粧業 2013年9月16日号 10ページ

カンタンに言うと

化粧品製造機器の最新トレンド、「効率化」が強く求められる時代に

 生産数量が増え、他社との差別化も重視されている昨今、製品の完成度を左右する製造設備の技術も進化している。特に、最近は「効率化」や「高速化」が強く求められており、その実現のために欠かせないのが、全工程の「自動化」だ。

 しかし、化粧品工場では手作業の工程が多く、コストと時間が余計にかかっているという。また、従業員の「経験と勘」に頼っている工程もある。

 この極めてアナログな手法は、生産現場では必要なことでもあるが、一方で、その工程を任されていた従業員の不在時の対応も考えねばならない。こうしたリスクを回避するためにも各機械メーカーは、ライン導入による全自動化を推奨している。

 その最たる例が、自動洗浄(CIP)だ。効率化に欠かせないばかりでなく、確実に洗浄できることから、設備環境の衛生を特に重視する食品や医薬品業界ではCIPが一般的だ。

 化粧品業界には「手洗いでなければ落ちない」といった固定観念があり、普及にはまだ時間がかかりそうだが、他業種にも実績がある機械メーカーの啓蒙により、最近は自動洗浄に対する認知と理解が進んでいるという。

 自動洗浄に関しては、ガデリウスや日本テトラパックが代表的だが、操作性については、「女性でも扱いやすいように」との観点から、安全性を重視した機械を提供しているメーカーも存在する。

 最近は機械の性能といったハード面だけでなく、ソフト面で対応を強化しているメーカーもある。

 例えば工場の品質管理基準であるGMPに対応したり、ヨーロッパに輸出販売するために、EUの品質基準である「CEマーク」を取得するなど、今後の化粧品業界の動きを見据え、独自に機械の安全性を高めている。

 特にGMPに関しては、化粧品業界では企業の自主基準に任されていたが、厳格化される動きが見られ、早急な対策が求められる。

 工場環境の衛生に目を向けると、病原菌対策も必要不可欠だ。これについては、森永エンジニアリングが口に含んでも安全な殺菌水「ピュアスター水」の製造装置を販売し、世界各国の日系工場に実績を広げている。

 化粧品業界では、日々新製品が開発され前例のない処方が生み出されている。今後、設備増強を行う際には、効率化や高速化、安全性・衛生対策などの中から、自社にはどの技術が必要になってくるのかを見極める先見性が求められる。

 今回は、様々な業界に実績のある8社の機械メーカーを紹介する。

【記事掲載企業】
エヌ・ピー・ラボ~動線考えた工場全体の設計力も強み、下ホモ型の「ウルトラミキサー」が高評価
日本テトラパック~食品工場で培ったノウハウ活かし生産効率の高いライン提案を強化
ガデリウス~乳化理論解明しスケールアップが容易に研究・開発室へのラボ機導入も強化
森永エンジニアリング~機能性と安全性確立した殺菌水提案、作業者の病原菌対策として導入増加
◎三光機械~化粧品用小袋包装機に強み、主力のMRシリーズを来春改良
◎エスエムテー~スケールアップのしやすさ支持され圧力式ホモジナイザーの導入多数
◎東洋自動機~特殊形状のパウチの扱いを強みに充填包装機器で国内シェアトップ
◎南陽~スラリー成形機では世界随一を自負、安全性重視し操作しやすさも配慮

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