花王・澤田社長、グループ資産の「最大活用」から「最大化」へ

カンタンに言うと

花王・澤田社長、グループ資産の「最大活用」から「最大化」へ

 花王は、グローバルで存在感のある会社を目指し、「コンシューマープロダクツのグローバル拡大」「ファブリック&ホームケアの盤石化、ビューティケア&ヒューマンヘルスケアの利益ある成長の加速」「ケミカルの強化」の3つを成長戦略に位置づけている。

 13年度は「グループの資産の最大活用」に向けた体制づくりが構築できたことから、14年度は「グループの資産の最大化」に着手する。澤田道隆社長に13年度の回顧と14年度の基本方針を中心にインタビューした。(記事詳細はこちら

カネボウの白斑様問題が起こるも
事業構造改革で収益出る構造に

 ――まずは、昨年1年間を振り返っていただけますか。

 澤田 カネボウ化粧品のロドデノール配合美白製品の自主回収が最も大きなトピックスでした。被害を受けられた方が約1万6000人にのぼるなど、大変ご迷惑をお掛けしました。

 製品回収に関してはほぼ目処が立ち、実態把握につきましても1軒1軒ご訪問させていただいて、おおよその数は確定し、全容が見えてきました。

 現在はむしろ全貌を把握できたということで、これからが本当のスタートだと思っています。被害に遭われた方々の救済や補償に関しましては、カネボウ化粧品が誠意を持って対応するとともに、花王グループ全体としても収束に向けてしっかりとバックアップしていくつもりです。

 業績面では、日本とアジアのコンシューマープロダクツ事業が非常に好調でした。第3四半期が終わった段階で、実質の売上の伸びが1%、金額にして約100億円伸びたのに対し、営業利益は122億円伸びました。すなわち、売上よりも利益の伸びが上回る形となり、利益が出る構造に転換できつつあります。

 2013年度は中期計画を策定し、3つの戦略、4つのプロジェクトの詳細設計をし、順次実行に移してきましたが、それとは別に、大きなスローガンとして「意識改革」を掲げてきました。

 特に、「花王グループの資産の最大活用」ということを掲げて、社内外に向けてアナウンスしてきました。事業構造の転換がポイントと考え、費用をうまく活用して利益を生み出すには何をすべきかを伝えてきました。

 その成果が着実にあらわれており、日本やアジアのコンシューマープロダクツ事業は利益を生み出せる構造になってきています。中期計画が終了する時点を想定していた収益を生み出す構造づくりが早い段階で完了できたという意味では、非常に大きな年度だったと思います。

 13年度は、夏に発売した「ウルトラアタックNeo」をはじめ、春には「ヘルシアコーヒー」、秋には「セグレタシャンプー ふっくら仕上げ」と、複数のヒット商品を投入することができました。

 さらに、欧米のコンシューマープロダクツ事業も堅調です。ケミカル事業は前半厳しかったですが、後半は良くなってきました。ビジネス全体では、いい方向に向かいつつありますので、この流れを14年度へと結びつけていくつもりです。

【その他の質問事項】
◎美白商品の発売時期に関してはカネボウ化粧品の再生よりも慎重に
――カネボウ化粧品とのシナジーの最大化に向けた方向性をお聞かせください。
◎社会的3大課題の解決とともに社会全体を変える提案も視野に
――商品を通じて「環境」「健康」「高齢化」という社会的課題の解決に取り組んでいますが、国内事業の成長に向けた具体的な戦略についてはどのようにお考えですか。
◎アジア・欧米から展開エリア拡大し真の意味での「グローバル化」を推進
――グローバルでの成長戦略について教えてください。
◎増税後は付加価値品の提案で市場を活性化し、需要の喚起へ
――2014年度はどういう形で臨みますか。

【PDFダウンロード】「花王澤田社長新春インタビュー」はこちら

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