オーガニックOEM・ノンシリコンOEM市場、環境意識の高まりで緩やかに拡大

週刊粧業 2014年5月19日号 1ページ

カンタンに言うと

オーガニックOEM・ノンシリコンOEM市場、環境意識の高まりで緩やかに拡大

 ナチュラル・オーガニック化粧品やノンシリコンヘアケア商材は、新たな商品価値の1つとして存在感を日増しに高めている。

 少し古いデータだが、2011年度の「自然派・オーガニック化粧品」市場は前年度比6・7%増の930億円になったとする統計がある(矢野経済研究所調べ)。同研究所はさらに、2012年度には同6・1%増になるとの見通しも明らかにしていた。

 特に東日本大震災が発生した「3・11」以降、環境に配慮したライフスタイルや社会貢献につながる消費意識が広がっており、ナチュラル・オーガニック市場は今後も着実に拡大する気配を見せている。(記事全文はこちら

流通網やブランド数が拡大する中
増え続ける愛用者の育成が課題に

 オーガニック化粧品市場拡大の背景の1つには、流通網の拡大もある。

 中でも、オーガニックコスメの専門店「コスメキッチン」の奮闘ぶりは見逃せない。

 現在の店舗数は、他業態を含めて40店近くに達しており、ここ数年で急増させている。同時に、近年は地方都市への出店も積極的に進めており、オーガニック化粧品の広告塔の役割を担っていると言っていいだろう。

 そうした専門業態だけでなく、近年は百貨店やバラエティショップ、ドラッグストアでもオーガニック化粧品を大きく扱うケースが増えている。「流通はさらに整備される」(メーカー関係者)としており、市場はまだまだ広がりそうだ。

 また、それとともにブランド・製品数も急激に増えている。オーガニック化粧品の中だけでも消費者の選択肢は広がっており、競争環境もますます激しくなりそうだ。

 「もともとナチュラル嗜好の強い特定の顧客に愛用されていた時代から、一般顧客に門戸が広がった」。あるメーカー関係者は、オーガニック化粧品の現在の立ち位置をこう表現する。

 「だからこそ、『安心・安全』であることなどは当たり前で、そのうえで『たるみに効くのはどれ?』『毛穴を引き締めるのは?』という質問をお客様が投げかけるようになった。この1年ちょっとで大きく変わった」(メーカー関係者)という。

 つまり、一般の機能性を訴求した化粧品と同等の使用感や効果が求められるようになってきているということであり、「ケミカルと比較し、使用感などの機能性のハードルを越えたときに初めてオーガニックへのスイッチが生まれる」(メーカー関係者)と言い換えることもできる。それが「オーガニックコスメの使命、目指すべきところだ」(メーカー関係者)という。

 そうした製品開発力については、実際の売上状況が示すように随分と高まってきた印象がある。

 ジャパンオーガニックのスキンケアブランド「ドゥーオーガニック」は、今年リニューアル発売した美容液を筆頭に、「使用感や効果がようやく満足できるようなところにまできた」(ジャパンオーガニック)と自信をのぞかせている。

 ミネラルコスメの「MiMC」も、昨秋発売した「ミネラルクリーミーファンデーション」が、メガブランドが居並ぶ「@cosme」のクチコミランキングで上位にランクインしている。

 一方、今後は増え続ける新客をどう愛用者へと育成していくかも大きな課題となりそうだ。

 「まだフワッとした気持ちでオーガニックを使用する人が多い気がする。新規で入ってくれたお客様を固定化、ロイヤル化するための施策が必要だ」(メーカー関係者)

OEMの受注も拡大傾向に
ノンシリコンでも新たな動き

 今回は、オーガニック化粧品の開発に力を注ぐOEM企業に対する取材も行った。

 いずれも仏エコサート認証取得の工場を抱えるマーナーコスメチックス、ミロット、ケアリングジャパンは、オーガニック系商材の受注が「緩やかに拡大」といったニュアンスで一致している。また、各社とも今後の成長性に対しても明るい見通しを立てている。

 オーガニックに関連し、OEM企業にはノンシリコンもテーマに加えて現状を探った。

 すると、ブームから定着化した感の強いノンシリコンシャンプーを、今後も注力領域の1つとして研究開発に力を入れていくとする意向が浮かび上がった。

 さらに新たな動きとして、「ノンシリコン+α」(近代化学)の提案を強化する取り組みや、「エコサート系や三相乳化技術を絡めていく」(ミロット)といった動きも顕在化しつつあるようだ。

【記事掲載企業】
《ブランドメーカー編》
◎グッドホープ総研~安心・安全の「Dr.ハウシュカ」、調香師による本格的な香り訴求も
◎MIMC~ショップチャンネルで新客急増、直営店も積極出店の方針
◎ビーバイイー~新ヘアケア「medel」、1000円以下で客層広げる
◎ジャパンオーガニック~「ドゥーオーガニック」の勢いが加速、新製品とカウンセリングが奏功
◎ローレル~日本素材を高配合、自社で製造COSMOS基準で認証取得も
◎えそらフォレスト~「石の上にも」の3年間通じ拡大の胎動を実感する現在
◎セブンシーズインターナショナル~豪州発フローラルカラーコスメでナチュラルメークの新時代を拓く
《OEMメーカー編》
◎マーナーコスメチックス~エコサート認証工場で有機栽培に続きソーラーシステムを新たに導入
◎ケアリングジャパン~国産オーガニック原料供給を強化欧州認証も取得しグローバルに対応
◎ミロット~オーガニック経験値は業界内で一日の長、深み増したメーカー理解度
◎近代化学~オーガニック原料の独自開発で「ノンシリコン+α」のOEMを提案
◎ミロット~ノンシリコン市場作った自負後ろ盾に継続性へ開発力振り絞る
◎コスメサイエンス~ノンシリコン商材の開発を続け20年自社ブランド活かしたOEM事業が拡大
◎サティス製薬~植物性シリコンで「第3極」を提示UVでは植物性の代替原料も開発

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