ファブリックケア市場、「第3の洗剤」の登場で競争が激化

週刊粧業 2014年7月28日号 1ページ

カンタンに言うと

ファブリックケア市場、「第3の洗剤」の登場で競争が激化

 2013年のファブリックケア市場は、メーカー調査によると衣料用洗剤が前年比3%増で約2000億円となった。そのうち、粉末洗剤が10%近く減少し、重質液体洗剤は超コンパクトタイプが伸長し約10%増で推移した。粉末と液体の構成比は35対65となっており、液体優位の傾向は変わっていない。

 柔軟仕上剤市場は高残香と防臭タイプが市場を押し上げ前年比2%増となった。伸び率が若干安定してきたが、まだ成長が続いており、今年も2~3%増で推移している。さらに、今年P&Gが「第3の洗剤」として発売した「ジェルボール」の成長も期待されており、ファブリックケア市場はしばらく拡大が続きそうだ。(記事全文はこちら

洗濯スタイルの変化に伴い
多種多様なニーズが顕在化

 ファブリックケア市場の中でも、特に液体超コンパクトタイプは、2013年の推計では市場全体の約20%超を占め、成長率は落ち着いてきたが今後も拡大が見込まれるカテゴリーだ。近年は共働きや一人世帯が増え、夜に洗濯して夜干し、部屋干しする傾向にあり、特に35歳以下の若年層では約7割が室内干しを経験している。その結果、洗剤の機能に対するニーズにも変化が表れた。

 従来の、洗浄力や洗剤の溶けやすさといった基本機能に加え、室内干しをした時のニオイが気になるとして、消臭や防臭、抗菌、さらには香りの良さといったワンランク上の機能も求められるようになった。また、環境配慮の観点から、残り湯洗濯の実施率が5割に達したことも、ニオイに対する意識を高めた。

 「オシャレ着洗い」に代表される軽質洗剤は、ここ数年は市場規模、使用率、使用頻度ともに横ばいで推移しており、約125億円となっている。同カテゴリーは、全体の使用率は60%と高めだが、20代においては20%にとどまり、低迷が続く。そもそも製品の存在を知らない、使い方を知らないなどの「洗濯ビギナー」であることが、使用率の低下を招いているという。これに対して各社、アパレルブランドとタイアップして洗濯講習会を開いたり、Webサイトを充実させ、使用法を伝えるなど様々な工夫を凝らし、使用啓蒙を行っている。

 今後、注目したいのがP&Gが今年発売した「ジェルボール」だ。「第3の洗剤」と銘打ち、市場に新たな価値を投げかけた。現在のシェア獲得状況から推測すると、「すぐに1割ほどの構成比を占めるまでに成長するのではないか」と予測しているメーカー関係者もおり、市場のさらなる拡大に期待がかかっている。

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