2015年卸業界展望、魅力ある売場づくりで市場拡大へ

週刊粧業 2015年1月26日号 1ページ

カンタンに言うと

2015年卸業界展望、魅力ある売場づくりで市場拡大へ
 決算開示をしている大手日雑卸3社の2014年度第2四半期業績(14年4月~9月)は、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動や天候不順などの影響を受け、減収減益を余儀なくされた。

 迎えた2015年、消費マインドの好転が伝えられてはいるものの、昨夏から続く急激な円安による輸入物価の上昇は全体的な物価高を加速させており、予断を許さない状況が続く。

 生活するうえで欠かせない食品や公共料金の値段が上がっている局面においては、魅力的な売場提案を通じて、付加価値の高い化粧品トイレタリー商材を他の商材をかきわけて売っていく以外に方法はない。そういう意味においては、かつてないほどに売場提案力が問われる年となりそうだ。

 また、小売業の合従連衡が活発化するに伴い、取引条件が厳しくなっており、生産性の向上は喫緊の課題だ。最新技術(IT・ロボット等)の活用や物流資材・データ形式の標準化などもある中で、センター新設が最も有力な選択肢だが、高騰する建築コストが行く手を阻んでおり、これまで先送りされてきたコスト削減の本丸である「返品削減」を製(メーカー)・販(小売業)と一体となって取り組んでいかなければならない。

 2015年は、生活者に向けて「魅力的な売場提案」を的確に行いつつ、製販を巻き込んだ「返品削減」を進めるという難しい舵取りを迫られそうだ。

節約志向強まる中、的確な対応と
追い風を活かす取り組みが肝要

 あらたの畑中伸介社長は、2014年の消費動向や消費者の状況について、「消費増税による駆け込み需要の反動は夏場には収束し、それ以降は別の要因で消費マインドが冷え込んだ。多くの消費者は、賃金が上がらない中で消費増税や円安による物価高をきちんと受け止めて、節約志向を強めている」と語り、「人口の拡大が期待できない以上、商品の高付加価値化により、生活者がそれに見合う収入を得られるようになって経済が好循環で回っていくようにしていかねばならない」と今後の方向性を示した。

 一方、花王CMKの竹内俊昭社長は、現在の経営環境について、「人口は減少傾向にあるが、世帯数は増え続けており、チャンスが訪れている。また小売業各社は、M&Aによる規模拡大、小商圏を対象とした小型店の展開、オムニチャネル化に取り組んでいる。こうした中、生活者は節約志向を強める一方、自分の価値観に合う商品には支出を惜しまない二極化傾向がみられる」と語る。

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