アイスタイルの子会社であるアイスタイルビューティソリューションズは5月9日、運営する化粧品・美容業界専門求人サイト「@cosme Career（アットコスメキャリア）」のサービスを活かし、業界転職イベント「To・be・BA（トベバ）フェスタ」を都内の渋谷ヒカリエで開催した。
化粧品メーカー・販売会社など全16社が参加したイベントには、約600名（事前登録見込み）が来場し、各社ブースの説明会や選考会に参加した。また、会場に設けた転職コンシェルジュコーナーでは、来場者の希望や目的に合った企業ブースの紹介を行った。
アットコスメキャリアは、2008年1月のスタートから今年で7周年を迎え、会員登録者は約22万人にのぼる。
辻堂篤キャリア事業部長は、もともとグループの主軸サービスである化粧品・美容総合情報サイト「@cosme（アットコスメ）」の利用者は、商品の評価・クチコミ情報を求める一般女性と、自社商品の評価や競合商品の評価を確認するために訪れる美容部員をはじめとする業界関係者の大きく2種類に分かれていたことに触れ、「後者に対して提供できるサービスを構想した」と事業立ち上げの経緯を語る。
開設当時は美容部員専門の求人サイトがなかったことも奏功し、スタートから登録者数・登録企業数ともに増え続け、業界専門の求人サイトとしてのポジションを確立した。現在も右肩上がりで伸びている。登録者のうち約7割が20～30代女性だ。
だが、登録者数が順調に増えていく一方で、実際にサイトから応募したことがある女性は１／４程度にとどまるなど新たな問題も浮上してきた。
「残りは仕事への興味を持ちながらも、立ち仕事の大変さや給与面などに不安を感じ、応募に踏み切れていない状況だった。その3／4に多く含まれる業界未経験者向けに、美容部員の仕事の楽しさや魅力を感じてもらえるようなサービスを提供すべきと考えた」
その実現に向け、今回は業界初となる業界専門の転職イベントを立案した。働き方の多様性を感じてもらえるように、ブランドメーカーだけでなく、セルフとカウンセリングが混在するブランド横断的な新業態を展開する企業にも参加を募った。
同社が行った調査では、経験者は転職先をブランドで探す傾向が強い一方、未経験者はブランドへの執着心がそれほど強くないことがわかったからだ。また、参加企業には、未経験者からでもがんばれる仕事であることを知ってもらうため、できる限り未経験からスタートした美容部員にも出席してもらい、仕事の内容やその魅力、やりがいなどを直接ブースで聞ける環境を整えてもらったという。
会場には特別ステージを設け、現役美容部員によるトークショーや、プロのメークアップアーティストＳＨＵＮ氏による美容部員を希望する女性向け就活メークレッスンを実施した。
イベント責任者として取り組んだ弓田尚樹キャリア事業部営業グループチーフは、「初の試みだったが、リアルイベントのニーズの高さや可能性を感じることができた。特に、求人原稿では伝わりづらい『人』の部分で仕事の魅力が伝えられたことに、実施した意義を強く感じた」と総括し、「引き続き一人でも多くの方が美容部員を目指すきっかけとなるようなイベントを企画していきたい」と今後の抱負を語った。
