コーセーは、土壌に長い歳月堆積した栄養成分から抽出される「フムスエキス」に、毛穴を目立たなくする効果や、ターンオーバー促進効果などの肌悩み改善に効果があることを解明した。
「フムスエキス」は、特殊な「腐植土」を天然水で熟成し抽出したエキスで、長い年月をかけて微生物による分解・発酵が繰り返されており、限られた地域でのみ採取される。この「フムスエキス」には、高分子有機酸の「フルボ酸」が含まれており、飲料や美容用途などにも利用されてきたが、具体的な効果やメカニズムに関しては明らかになっていなかった。
そこで今回、同社では「フムスエキス」の肌への効果に着目し、化粧品へ応用に関する研究を行った。
「フムスエキス」配合製剤の肌効果を確認する目的で、10名の被験者に対し「フムスエキス」配合製剤とブランク製剤の塗布試験を行った。その結果、「フムスエキス」配合製剤では、目立つ毛穴の数が減少し、採取したレプリカ像では肌表面形状がなめらかになっていることが確認された。
このことから、「フムスエキス」には肌の凹凸を平滑化することにより、毛穴を目立たなくする効果があることがわかった。
「フムスエキス」配合製剤の肌平滑効果をより詳細に検討するため、「フムスエキス」の角層ターンオーバーに及ぼす効果を検討した。
ジヒドロキシアセトンで角層を色素標識したのち、「フムスエキス」配合製剤とブランク製剤を塗布し、経時で皮膚色を測定して、その変化量をターンオーバー速度とした結果、「フムスエキス」には角層のターンオーバーを促進する効果があることがわかった。
1日2回左右の指定された部位に「フムスエキス」配合製剤と対照製剤を2週間塗布し、使用前後の角層から酵素溶液を抽出して、蛍光標識したカリクレイン5(KLK5)の基質と反応させ、得られた蛍光強度からタンパク質量あたりのKLK5の酵素活性を測定した。
その結果、「フムスエキス」にはKLK5の活性を促進することで、角層のターンオーバーを促進する効果があることがわかった。
この記事は週刊粧業 2015年8月3日号 12ページ 掲載
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