成和インターナショナル、品薄回避へ増産体制の構築へ全力

訪販ジャーナル 2017年7月17日号 6ページ

カンタンに言うと

成和インターナショナル、品薄回避へ増産体制の構築へ全力
 コンセプトが特徴的な基礎化粧品「ヒアルロン酸原液」(10mL・500円)をヒット商品に押し上げた成和インターナショナルが、「嬉しい悲鳴」と評せそうな品薄状況の回避へ全力をあげている。

 2003年に発売したのち、5年後辺りから大手クチコミサイトによって末端の関心が高まり始めた同商品は、2012年に「100万本突破キャンペーン」を開催したのも束の間、今春時点になると「年間の総出荷量が約1000万個に達する大人気商品」(岸川良己社長)となっていた。

 一方で、販売代理店を介したドラッグ店卸を中心にした流通展開では折から品薄状態が続いており、同社は末端の需要に追いつける供給体制の立て直しへ製造パートナーと一体の取り組みを進めている。

 同社の営業部 営業企画課によると、直近における「ヒアルロン酸原液」の生産・供給キャパシティーは2017年1月時点に対し、6月までに「1.35倍まで上がってきた」と説明している。

 差し当たって目指す増産レベルとして、年初を基準にすると「2倍まで引き上げたい」と当面のゴールを掲げている。

 ただ、急場凌ぎで新規の製造委託先や原料・資材供給元を開拓することはせず、現状の製品クオリティー順守を第一義に考えたい同社は「いままでの関係性の中で、各工程の協力会社さんに目一杯の努力をしていただいている」(営業部 営業企画課)といい、販売先の陳列棚を案ずると同時に、製造面では慎重を期していきたいと強調している。

 また、化粧品マーケットの悪しき「定石」といえそうな通例として、同社は「ヒアルロン酸原液」を摸倣・追随した類似品が多く流通している現状に頭を悩まされている。

 「見た目がそっくりでありながら、中身を使うとベタつき、また臭ったりする」(営業部 営業企画課)製品群への対処で、根気強く対応していく構えを打ち出している。

 こうして足元の売れ筋商品の供給力アップに取り組むことと並行し、同社は販売先から要望の熱が高まってきた「ヒアルロン酸原液」を取り巻ける後続製品の開発も進めている。

 人気商品の評判を聞きつけた企業によるPBやコラボ企画の要請を横目に、まずは既存の販売先の希望に応えるため「やはり水溶性の基礎化粧品を、新商品として考えている。草案は固まっている。年内を目途に発売時期を公表したい」(営業部 営業企画課)としている。

 同時進行で「ヒアルロン酸原液」と親和性が打ち出せるフェースマスクの商品化案があることも明らかにしているほか、このように新しい製品の打ち出しに力を注ぐ傍らでは、花盛りといっていい各種の美容系展示会にブースを構えて出展したいという構想もある。

 「アイデアは沢山持っている。これらを、ゼロから製品を作っていく作業で商品化していきたい」(営業部 営業企画課)という考えからは、水資源事業から参入した異業種組にあたる同社が、「メーカー」への階段をのぼり始めている様子を見て取ることができる。
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