日本コルマー、国の特性を吟味し進出エリア拡大

粧業日報 2017年10月3日号 4ページ

カンタンに言うと

日本コルマー、国の特性を吟味し進出エリア拡大
北米は提携で自社の強みを活かす

 化粧品・医薬部外品OEM/ODMの国内最大手である日本コルマーは、国内生産拠点の増設を進めつつ、着々と海外事業を推進している。

 韓国コルマー(合弁会社)を設立した1990年から25年以上が経過し、中国・ASEAN・米国の3つの国と地域での事業育成を強化している。

 神崎友次会長は、「『メイド・イン・ジャパン』への評価が高まっている昨今、国内生産への回帰が見られる。業界内での存在感をさらに高めていく」とした上で、「ブランドメーカーと同様、新たな成長マーケットへ進出していく必要がある」と述べ、国内と海外の両輪で、市場環境の変化に柔軟に対応できる安定した収益基盤を構築していく考えを改めて強調した。

 国内では今年8月に、伊賀工場(三重県)の稼働を開始し、生産拠点を6つに拡張している。

 海外事業では昨年、スキンケアを中心に製造する米国・化粧品OEM会社への出資およびメークアップ技術での業務提携を行うことに合意し、北米市場の開拓を進めている。

 従来から市場開拓を進めていたが、神崎会長は「業務提携先は、当社のスキンケアの研究開発・技術力にも高い関心を示してくれている。将来的には、スキンケアの製品開発も一緒に取り組んでいきたい」とサポート領域を広げて市場開拓を進める意向を示した。

 97年の進出から20年が経過した中国市場では、生産工場を構える蘇州コルマーにおいて、中国現地で販売する化粧品の製造を行っており、近年は欧米日のグローバル企業との取引に加え、ローカル企業との取引が拡大している。

 神崎会長は「ローカル企業が着実に実力をつけてきている。それにともない、工場も忙しい状況が続いている」ことから、国内と同様、生産拠点の増設を視野に入れていく考えを示した。

 ASEAN市場においては、初の生産拠点としてベトナム工場の着工を来年に計画している。

 「ブランドメーカーの多くが、低リスクでの海外進出を模索している。国内以上に、OEM/ODMを活用しようというマインドは高い。ベトナム進出を発表してから、周囲の期待の大きさも感じている。まずはその期待にしっかりと応えていく」(神崎会長)
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