ECシステム投資の妥当性をROI(NPV)で見極める②

ECシステム投資の妥当性をROI(NPV)で見極める②

今回は前回(ECシステム投資の妥当性をROI(NPV)で見極める①)
に引き続き、ECシステム投資をするための判断基準となる
NPV(正味現在価値)
の算出方法についてご説明させていただきます。

 

1.将来価値の導き方

 100万円の資金を投資して年利8%(複利)で3年間運用すると、126万円のキャッシュを回収ができます。

 

2.現在価値の導き方①

 年利8%(複利)で3年間運用した結果として126万円のキャッシュを回収するためには、
現在の時点で100万円のキャッシュを投資することになります。

 つまり現在の100万円と3年後の126万円は、価値が等しいということになります。


▼現価係数表(割引率と年数に応じた現価係数表)


3.現在価値の導き方②

 年利8%(複利)でキャッシュを運用し、1年後、2年後、3年後のそれぞれの時点で回収した100万円ずつのキャッシュ(合計300万円)は、現在の時点における258万円のキャッシュと同じ価値となります。

4.FCFの導き方

では、ここからは実際にフリー・キャッシュ・フロー(以下FCF)の数値と
現在価値の算出方法を使ってNPV(正味現在価値)の計算方法をご説明します。

 FCFとは、企業が事業活動から得たキャッシュから、
現事業維持のために投資にまわしたキャッシュ・フローを差し引いた、
自由に使うことができるキャッシュを意味します。計算式は以下の通りです。

 

設備投資によるFCFが、
▲100万円(現在)、▲80万円(1年後)、150万円( 2年後)、180万円( 3年後)
と見込まれ、資本コストは8%と仮定すると…。

このとき、正味現在価値(NPV)は、97.4万円(プラス)となり、
“良い投資である”と判断することが出来ます。

FCFの算出方法が分かったところで、
もう一例、一覧表で数値をご覧いただきましょう。

例:受注システム投資プロジェクトの評価

※単位:千円

この場合、正味現在価値(NPV)は、2507万円(プラス)となり、
この投資は妥当であると判断できます。

 いかがでしょうか? ECシステムの見直しの際には是非ご参考にしてください。

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