花王、「正道を歩む」を貫き「変化」をつくる

週刊粧業 2018年1月1日号 68ページ

花王、「正道を歩む」を貫き「変化」をつくる
 近年、テロの脅威や自然災害の多発、トランプ政権の不安定さなど、国際社会に大きな影響を及ぼす出来事が起こっています。国内市場においても人口減少、少子高齢化、地方都市から都市部への人口流入が進むとともに、シニアや単身世帯の増加、女性の就業率の向上によるライフスタイルの多様化、外国人観光客の増加などを背景に、マーケットの構造も従来とは異なる形に転換しつつあります。

 ネット環境の急速な進展やスマートフォンの普及に伴い、新たなサービスが生まれ、コミュニケーションの形態も大きく変わってきています。これらの変化は、企業にとっては、大きなチャンスであるとともに、予想外の流行やレピュテーションリスクが起こり、受け身になると対応が非常に難しい環境を生み出しています。

 こうした様々な変化に対し、企業の運営視点では、ダイバーシティの推進、労働生産性向上の実現は重要な課題であり、一方、事業視点では、生活者の変化を踏まえた商品開発、マーケティングの新たなチャレンジが急務だと考えています。同時に、持続可能な社会の実現のために、私たち企業が果たすべき役割が、ますます大きくなっていると考えています。

 昨年は、「花王グループ中期経営計画K20」のスタートの年でした。「K20」は、花王グループの2030年のありたい姿を実現するための重要な通過点と位置づけ、4カ年の計画として策定したものです。この4年間で、将来の大きな成長を実現させるためのベースを作るべく、取り組みを進めているところです。「K20」で掲げたスローガン「自ら変わり、そして変化を先導する企業へ」を実践するために、花王グループ社員一人ひとりが変化に立ち向かう意識を持ち、新たなチャレンジをしていきます。

 一方で、変革を起こしていく際に大切なことは、変わらない基本姿勢です。花王グループの企業理念である「花王ウェイ」の根幹をなす「正道を歩む」を貫きながら、社員一丸となって取り組みを進めていきます。

 「変化」の実践のひとつとして、新しい販売活動にチャレンジするために、国内販売組織を再編し、本年1月1日より、新体制での運営をスタートします。これは、変化の激しい環境の中、花王グループが成長を続けるために必要な「販社の新しいビジネスモデル」を構築するための第一歩です。花王グループの総合力をより発揮できる体制とし、生活者の購買行動分析に基づいた、売場・売り方の提案力を進化させていきます。

 また、化粧品の販売においては、新しい試みとして美容カウンセリング専門会社「ソフィーナビューティカウンセリング株式会社」「カネボウビューティカウンセリング株式会社」を設立します。カウンセリング力のさらなる向上をめざしたマネジメント体制を構築し、ブランドの魅力を磨き続ける活動を一層強化していきます。

 花王グループの化粧品事業の大改革を推進するため、また、より信頼され、愛されるブランドになるため、お客様が本当に求めていることは何かを見つめ直し、提案していきます。

 「K20」の第一の目標に掲げた、「特長ある企業イメージ醸成」に関しては、コーポレートメッセージである「自然と調和する、こころ豊かな毎日を目指して」を、ステークホルダーの皆さまにとって、より理解しやすく、身近に感じていただけるような活動に落とし込み、それを世界中で実践することで、花王のイメージを浸透させていきたいと考えています。
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