コーセー、「雪肌精 SAVE the BLUE」プロジェクトが10年目に突入

粧業日報 2018年6月15日号 3ページ

コーセー、「雪肌精 SAVE the BLUE」プロジェクトが10年目に突入


金城氏、今できることを
楽しみながらやることが重要

 最後に、金城夫妻が沖縄の海やサンゴを取り巻く状況について説明するとともに、今後の取り組みについてビジョンを語った。

 金城氏がサンゴの養殖活動をスタートした1998年と小学生だった1970年代とを比べると、海の生き物の数は9割ぐらいまで減ってしまっていたといい、現在はさらに状況が悪化しており、「数%レベルまで落ちてきている。海の中の景色は、サンゴの白化が急速に進んだことで、ハイビジョンからモノクロに変わってしまった」(金城氏)と沖縄の海の現状について説明した。

 こうした状況の中、金城氏はコーセーとともに9年にわたり取り組んできた「SAVE the BLUE」プロジェクトを通じて、新たに誕生させた白化しないサンゴ「耐性サンゴ」に一筋の光明を見出しているという。

 「コーセーのサポートがなかったなら、耐性サンゴが誕生することは難しかったと考えており、海水温の上昇や海の汚染が進む中でサンゴ礁を増やしていくことも困難に直面していただろう。わずかな範囲でもサンゴ礁をつくることができ、今は希望感の方が大きくなっている。また、サンゴ留学という形で日本全国からサンゴの勉強をしに来てくれた人々が各地でサンゴの現状を知らしめてくれている甲斐もあって、サンゴの養殖を開始した当初は、否定的だった世論が次第に『サンゴを植えるべき』というように変わっていき、具体的にアクションを起こそうという動きが増えてきている」(金城氏)



 サンゴの養殖活動が継続していくためには、「環境をよくして儲かる会社」になり、そうした会社を純粋に評価する社会が形成されることが重要という。

 「残念ながら、サンゴの養殖だけで施設が運営できている状況ではなく、映画出演で講演料が増えたことやコーセーのキャンペーンにより支えられているというのが現状だ。サンゴ畑を教育の場として活用したり、協賛する企業・団体を増やすことなどにより、継続する仕組みをつくっていきたい」(金城氏)

 最後に、金城氏は今後の抱負について、「サンゴの養殖を継続していくためには、今できることを楽しみながら実行していくことが重要だ。その時代の環境変化から目をそらさずに行動し続けることに集中していきたい」と語った。



 2日目の30日には、金城夫妻が運営するサンゴ畑にて、東京海洋大学名誉博士・客員准教授で、国際サンゴ礁年2018のアンバサダーを務めるさかなクンによる「SAVE the BLUE」マスコミ留学が行われた。

 さかなクンは、美しいサンゴの森を守るために今できることについて問われ、「サンゴ礁は、海洋面積と比較すると非常に規模が小さいが、海の生き物にとってはかけがえのない存在であり、それを守るためには、養殖というものが直接ケアすることにつながる。ただ、日本中の多くの人々はサンゴの植え付けに参加したくても参加できる訳ではないので、まずはサンゴに関心を持って欲しい。そのうえで、海を汚さないためにゴミを極力出さないことを心掛けるなど、一人ひとりが実際の行動に移していって欲しい」と語った。
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