ホシケミカルズ、ご当地原料「サクラン」が好調

C&T 2018年6月15日号 42ページ

ホシケミカルズ、ご当地原料「サクラン」が好調
 化粧品原料商社として1975年に創業し、化粧品OEMや容器製造なども手掛けるホシケミカルズでは、原料部門において2010年から47都道府県ごとに各地の様々な素材を「ご当地原料」として提案しており、現在のラインナップは約200種類に及ぶ。

 その中でも、保湿カテゴリーにおいては熊本・福岡県産の藻類・スイゼンジノリから抽出した天然高分子多糖体「サクラン」への引き合いが近年高まっているという。

 サクランは平均分子量が約2900万の巨大な多糖体で、被膜形成・肌バリア・ゲル化・保水性・増粘作用などの特長を持つ。

 このうち、保水性に関しては、改良ティーバッグ法にてサクラン・ヒアルロン酸Na・キサンタンガムの保水試験を実施し、各サンプル1g(乾燥重量)に対して保水した水の体積(mL)を測定した。

 その結果、サクランは自重に対して6000倍以上の保水力を示し、さらにヒアルロン酸Naとキサンタンガムに比べて純水では約5倍、生理食塩水(塩水)ではヒアルロン酸の約10倍の保水力を有することが確認された(図1)。





 「用途としては化粧水や乳液などのスキンケアでの引き合いが基本的に多いが、ヘアケアのアウトバスやファンデーション・化粧下地といったベースメークなどにも幅広く採用されている」(企画開発室 広報 平地祥子氏)

 その他のご当地原料では、ナメコが分泌する粘膜保護成分由来の天然高分子多糖体「フォリテクト」の提案に注力している。

 「フォリテクト」は、ナメコ由来多糖類の高い保水力に着目して開発された山形県産の新規化粧品原料で、保湿のほかにも活性剤による刺激の緩和や、感触・泡質改善といった作用が確認されている。

 「フォリテクト」の保湿効果に関しては、「蒸散抑制能・水分保持力」「肌に対する保湿効果」「洗い上がりの保湿効果」の測定試験をそれぞれ実施した。

 「蒸散抑制能・水分保持力」の試験では、固形分濃度0.1%の各サンプル溶液(水・フォリテクト・ヒアルロン酸Na)を濾紙に滴下し、滴下5分後の重量変化から水分保持率を算出した。その結果、「フォリテクト」はヒアルロン酸Naに比べ、高い蒸散抑制力・水分保持力を示した。

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