ライオンは、オカムラ、ソフトバンク、ダイキン、東京海上日動火災、三井物産と共同で、空気・空間データを活用した協創プラットフォーム「CRESNECT(クレスネクト)」の第1弾プロジェクトとして、「未来のオフィス空間」づくりを目指した取り組みを企画・実証していくことで合意した。
「クレスネクト」は、ダイキン工業が2018年2月に発表した空間をつなぐ協創プラットフォーム。1社だけでは解決し得ないような大きな社会課題に対して、業界を牽引する異業種のパートナーが手を取り合い、既存の仕組みや自社の事業領域にとらわれない幅広い視点で、各社の保有するテクノロジーやデータ、ノウハウなどを相互活用し、様々な空間コンテンツのフィールド実証を行いながら、理想のオフィス空間づくりに取り組んでいくことを目的としている。
実証実験では、「より効率的に働けるオフィス空間」をテーマに、複数の空間コンテンツを導入したワークススペースの開設を目指す。まずは、年内に東京23区内の主要ターミナル駅に2カ所のシェアオフィス開設を予定している。
シェアオフィスでは、空調・照明・音響・香り・家具などの設備環境だけでなく、様々なオフィスシーンに合わせてデザインした空間を設け、そこで働く人々の快適性、生産性、健康等に関わるデータを収集しながら、コンテンツの効果検証や新たなコンテンツ創造を行う。また、実際にワークスペースの利用者のフィードバック情報を活用し、空間コンテンツの高度化を図る。
そうした中、ライオンでは、これまで培ってきた技術・ソリューションを活用し、口腔内のセンシングによる健康チェックや、メンタルヘルスケアを意識した空間づくり等を通じて、オフィスワーカーのヘルスケア、エチケットリテラシー向上に貢献する新たな製品・サービスの開発を目指す。
7月30日に開催された共同記者会見でライオンの田中孝祐 研究開発本部 副本部長は、「経営ビジョンに掲げる『次世代ヘルスケアのリーディングカンパニー』の実現に向けては、得意とする家庭内でのヘルスケアに加え、1日の大半を占めるオフィスの中でのヘルスケアを考えていく必要がある。オフィスワーカーのヘルスケア、エチケットリテラシー向上に貢献する新たな製品・サービスの開発に取り組んでいく。具体的には、歯磨きをしながら色々なヘルスチェックができる機能をオフィス空間に持ち込むほか、香りの技術を活かした新しいアイデアを生み出すような空間づくり、口臭をチェックするアプリを用いることによるコミュニケーション活性化などを行っていきたい」と抱負を語った。