東洋ビューティ、持続的な成長へ技術継承を推進

週刊粧業 2018年8月27日号 8ページ

東洋ビューティ、持続的な成長へ技術継承を推進
 化粧品・医薬部外品OEM/ODM大手の東洋ビューティは、5カ年計画の3年目を迎えた2018年4月期、既存顧客からの受注増加に加え、新規顧客の獲得が進み、売上高が前年比14%増の240億円で好調に推移した。

 日本製コスメの需要拡大が続く中、三重・上野工場で人員を補強しシフト制に変更するなど「生産性向上を図れたことが好業績につながった」と増井勝信社長は語った。

 生産能力が向上した上野工場では、新たに倉庫を建設して環境整備を進めるという。

 120名体制で取り組む研究開発では、前期よりスキンケアとヘアケアの部門を分け、専門性を高めて製剤化技術の向上を推進している。並行して、基礎研究や開発処方のデータベース化を進めている。「個人に帰属しやすい技術やノウハウを企業資産化することで、スピード開発の実現とともに、技術・技能の伝承に取り組む」(増井社長)。

 生産部門では、19年4月に竣工予定の佐賀工場を、海外企業との取引拡大を視野にグローバル拠点に位置づける考えだ。

 海外事業は、昨年より海外の国際展示会への出展を足がかりに、アジアや米国の企業を顧客につけ、海外売上比率は約7%となった。増井社長は「早期に(構成比)1割まで引き上げたい」と述べ、今年はアジア開催の展示会に加え、10月にパリで開催される「Cosmetic360」にも初出展し、EU企業との接点拡大につなげる。

 「佐賀工場が稼働すれば現在の生産能力の約2倍になる。今期は工場の垂直立ち上げに向けた準備期間に位置づけ、宇都宮・上野の各工場でスタッフ研修を進めている」。併せて、既存工場では品質向上を目的とした環境整備も進め、生産レイアウトの環境改善を進めたほか、各ラインにヒューマンエラー防止のための機械・設備を導入した。

 「日本製コスメに対する海外評価の高さは『品質』にある。海外OEMの品質レベルが高まる中、日系OEMへの要求品質はさらに上がってくるはずである。そうしたグローバルなニーズに対応できるよう、生産技術と研究開発の両輪で当社の強みにさらに磨きをかけていく」(増井社長)
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