コスメトロジー研究振興財団、第29回表彰・贈呈式を開催

粧業日報 2018年11月27日号 4ページ

コスメトロジー研究振興財団、第29回表彰・贈呈式を開催
 コーセーが社会貢献の1つとして支援を行っている公益財団法人コスメトロジー研究振興財団(小林保清理事長)は11月20日、「第29回 表彰・贈呈式」をステーションコンファレンス東京にて開催した。

 コスメトロジー研究振興財団は、コスメトロジー(化粧品学)に関する調査研究に対する助成を行うことにより、広く国民の保健衛生の向上を図り、美しく豊かな人間生活の実現に寄与することを目的として、1990年にコーセーの創業者である小林孝三郎氏により設立された。以来毎年、化粧品に関連する幅広い分野における優れた研究課題を表彰し、研究助成を行っている。

 主催者を代表して挨拶した小林理事長は「当財団はコーセーの創業者である小林孝三郎が、皮膚科学や物理化学などの自然科学に加え、心理や感性、文化にも及ぶ学際的で幅広い研究の集約が必要と考え、平成2年に設立して以降、今年で29回目を迎え、累計の助成件数は700件、助成金総額は7億5000万円を超えた。今年は助成総額を4500万円に増額したが、本日の理事会で来年度の研究助成金を5000万円とすることも決定した。当助成事業が化粧品産業の発展と人間の美しさ、豊かさに貢献できればこれほど嬉しいことはなく、今後も安定した活動を継続していきたい」と語った。

 続いて、選考委員会委員長の二木鋭雄氏が選考経過について言及し、「応募総数は120件で、昨年の123件に次いで2年連続して120件を超える応募が寄せられた。その中から、例年通り3分野の分科会の選考委員の専門的視点で、『独創性』『発展性』『実用の可能性』『コスメトロジーへの波及性』について採点のうえ、コスメトロジーの発展に期待できるユニークな課題との視点から推薦いただき、さる9月27日の選考委員会で慎重な審議を行って史上最高となる43件の研究課題が採択された。幅広い研究分野にまたがるコスメトロジー領域の研究が各方面において普及、定着してきた結果、今年、採択された研究課題を見ても、コスメトロジーの研究課題に、最先端のライフサイエンスの研究成果を取り込んだものや、最新の計測技術を応用したものなどが見受けられ、先進的な学問領域となりつつある。『精神・文化』に関する分野では、近年、化粧品の生理・心理的効果が、医療の現場でどの程度役立つか検証する研究課題もあり、化粧品の新しい可能性を拓くものと期待される」と述べた。

 第29回目となる今年度は、全国の主要大学、病院、公的研究機関からの応募120件に対して、第一人者の選考委員による厳正な審査を行い、特に優れた化粧品関連の研究課題に対し、43件の表彰を行うとともに、国際交流1件、学術集会支援3件、計4件の支援も実施した。

 記念講演には、早稲田大学の齋藤美穂 常任理事・教授が招かれ、「日本人の白嗜好と、感性をつなぐ色彩」という演題で、研究の原点となった「色彩の好みの国際比較」に関する研究や、日本人が白に対して高い嗜好を示すことなど、嗜好の構造について調査結果を織り交ぜながら詳細に解説した。

 また近年、「感性」というキーワードが様々な場面で取り上げられる中、色と香りの調和関係による香りの可視化の最新の研究成果を通して、「感性」をつなぐ「色彩」の役割についてわかりやすく伝えた。
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