中川装身具工業は、アクセサリーチェーンとパーツを卸売する直営ショップ「NAPS」の浅草橋本社店を2018年11月にリニューアルした。
「以前は入口付近に真鍮やステンレスといった一般品のパーツやチェーンを展開していたが、リニューアル後は売れ筋の変化に合わせてここにシルバーコーナーを移設し、入口の脇には売れ筋の貴金属製品を置くなど、お客さまが見やすいようにレイアウトを変更した」(吉野俶尚営業三部部長)
以前はアクセサリーの製造に携わる人の利用が多かったが、最近は自分のブランドを立ち上げてインターネットでアクセサリーを販売する若い人の姿が目立つようになった。
2018年は、全体的に耳まわりのアイテムの動きがよく、最近はイヤリングが復活傾向にある。中でもピアス風の小振りなイヤリングが人気で、パーツ金具がよく売れている。装着しても痛くない、ソフトタイプのイヤリングクリップが一時品薄になるほど人気だった。11月の東京装身具工業協同組合の合同展示会でも反響があったという。
傾向として、2018年春からシルバーチェーンの動きがよくなった。ネックレスには細身、ブレスレットには極太が売れ筋だ。以前は男女別に提案していたが、今は兼用で使える中間サイズのユニセックスタイプが主流になっている。
色の傾向では、2018年前半までは金色が主流だったが、その後は白系が動くようになった。金属アレルギーに対応して樹脂系やニッケルを使わないメッキパーツも揃う。
2019年はチェーンの提案を強化し、アクセサリーにこだわらずに装飾や雑貨としても使える、凝ったデザインの一般品をピックアップしてアピールする。
また、製品は基本的にメッキ加工をしていないが、店頭でメッキ加工を含めたOEMのサービスも受け付けており、一般的な小売店との差別化を図る。
NAPSは浅草橋本社店の他に表参道、名古屋、心斎橋でも店舗を構え、それ以外にも甲府支店、伊勢営業所でも販売を行い、それ以外の地域はECでカバーする。
「NAPSはアクセサリー業界では広く知られているが、異業種の方にも認知されるようにしたい。ECサイト『NT.COM(ナカガワトウキョウ ドットコム)』を2019年2月にリニューアルし、よりお買い物がしやすいサイトにする」(吉野氏)
貴金属を中心とした同社のパーツ&チェーンショップ「きんや」では、ダイヤカットボールの人気が落ち着いたことから、「新しいカットを施したビーズを導入する」(中川雄幸常務取締役営業本部副本部長)という。