コーセー 小林一俊社長、世界に通用するモノづくりに注力

週刊粧業 2019年1月1日号 60ページ

コーセー 小林一俊社長、世界に通用するモノづくりに注力
 コーセーでは、研究開発から生産・マーケティング・販売までの緊密な連携により全セグメント、全地域が好調に推移し、2018年上期業績は、売上高が6期連続、営業利益は4期連続で過去最高を更新した。

 創業80周年に向け「VISION2026」をスタートした2018年度からは、「グローバルブランド拡充と顧客接点の強化(PhaseⅠ)」をテーマに、グローバルな視点でボーダレスな展開を進めており、「世界で存在感のある企業への進化」を目指している。

 小林一俊社長に新年度の課題と抱負についてインタビューした。

2018年上期、売上高は6期連続、
営業利益は4期連続で過去最高更新

 ――まず、2018年の国内化粧品市場を振り返っていただけますか。

 小林 2018年の経産省化粧品出荷統計(1~9月)は、金額が前年比106.5%、数量が前年比108.0%と増加傾向を示しています。

 この第2四半期までにおける日本経済は、豪雨や地震、台風など相次ぐ自然災害の影響を受けたものの、企業収益や雇用情勢の改善等を背景に緩やかな景気回復の基調が続きました。また、JNTO(日本政府観光局)の集計では、1月~10月の訪日外客数が2600万人を超え、約10%伸長しました。年間3000万人も視野に入るなど、インバウンド需要には底堅さが見られます。

 そのような中、当社の上期実績は、売上高が1609億円(11.3%増)、営業利益が307億円(30.9%増)、経常利益が326億円(36.2%増)、純利益が222億円(46.0%増)となり、売上高は6期連続、営業利益は4期連続で過去最高を更新しました。

 国内外の比率については、日本が73.6%(売上高=1185億円、伸長率=6.9%増)、アジアが14.4%(売上高=232億円、伸長率=51.0%増)、北米が10.9%(売上高=175億円、伸長率=3.3%増)となっており、海外売上は前期比25.9%増の425億円、海外売上比率については前期比3.1P増の26.4%となっています。

 アジアにおいては、「コスメデコルテ」「雪肌精」を中心とした重点グローバルブランドが牽引役となり、各国における既存チャネルの育成とともに、免税店やeコマースなど新規チャネルの開拓を進めました。特に、免税チャネルの高成長が継続した韓国や、eコマースの成長が著しい中国が好調に推移しています。

 北米においては、米国メイク市場における競争激化等の影響はあったものの、米国タルト社による専門店チャネル、eコマースでの販売が安定的に成長しました。

 ――カテゴリー別、チャネル別の動向はいかがですか。

 小林 化粧品事業の売上高は1215億円で、前期に比べ13.2%、142億円の増収となりました。

 ハイプレステージは、「コスメデコルテ」が25.0%増、米国の「タルト」が5%増(円換算ベース)のほか、「ジルスチュアート」や「アディクション」も順調に推移し、ハイプレステージ合計で7%の増収となりました。

 国内の「コスメデコルテ」は、全てのカテゴリーが好調でした。

 ここ数年、スキンケアだけでなくポイントメイクで新規のお客さまの獲得がきるようになりました。さらに、昨年8月に発売した「ザ・ファンデーション」がブランド史上過去最高のファンデショーン実績を獲得し、新規の獲得が進みました。

 スキンケア・ポイントメイク・ベースメイクと、全てのカテゴリーで新規の獲得ができるようになってきたことに加え、インバウンドの好調も続いており、年間で過去最高のブランド実績を確保できる見込みです。

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