花王 澤田道隆社長、2019年は勝負の1年に

週刊粧業 2019年1月1日号 12ページ

2019年1月17日 13時30分

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 花王は、中期経営計画「K20」(2017年度~2020年度)において、実質売上高CAGR+5%、営業利益率15%という高い目標を掲げている。

 「K20」2年目の2018年は、売上・利益が目標をやや下回る形で推移しているが、課題である化粧品事業で構造改革が着実に進展し、営業利益率の改善が図れるなど、今後に向けて明るい兆しも見え始めている。

 澤田社長に昨年度の回顧と今年度の基本方針を中心にインタビューした。

18年度業績は堅調に推移も
事業ごとの好不調が鮮明に

 ――まずは、昨年1年間を振り返っていただけますか。

 澤田 2018年は、「成長事業の継続」「課題事業の好転」「コア事業の維持」の3点に取り組みました。

 1つ目の「成長事業の継続」については、紙おむつ事業を指しています。2010年頃から「日本製の優れた製品を使いたい」という中国の方々の高い支持を得て急速に売上を拡大し、この間の当社の売上・利益の成長を支え続けてきました。しかし、2018年の紙おむつ事業は成長の継続には至りませんでした。

 近年、中国の並行輸入業者の動きが活発になり、日本から中国への転売が発生しています。こうした転売について、日本国内での品薄が解消に向かう局面では、中国における並行輸入業の在庫余剰の傾向がみられ、価格が乱れる要因となり、苦戦を強いられました。

 一方、もう1つの成長事業であるスキンケア事業については、「ビオレ」「キュレル」が牽引し、想定以上の成果を挙げることができました。

 2つ目の「課題事業の好転」に向けては、化粧品事業と欧米の家庭品事業、食品事業の立て直しに取り組みました。

 化粧品事業については、2017年まで非常に厳しい状況が続いていましたが、18年は前年を大きく上回る利益の上積みを図ることができました。

 新成長戦略「新グローバルポートフォリオ」のもと、重点的に強化するブランドを選定し、そこに投資を集中した結果、初年度としては非常にいい形で進捗しました。

 ただ、中身を見ると、中国を中心とするアジアやエキップが好調を下支えしているというのが現状であり、基幹ブランドが成長軌道に乗るといったところにまでは至っていません。今後については、グローバル戦略ブランドに据えた「G11」に重点を置き、売上・利益のさらなる拡大を目指していきます。

 欧米の家庭品事業については、特に欧州で展開している「ジョンフリーダ」や「グール」などのインバスヘアケアが苦戦しました。ここ数年、売上・利益とも減少傾向にあり、何とかこの傾向に歯止めを掛けたかったのですが、うまくいきませんでした。

 2019年は、組織を変え、モノづくり体制も変えながら、反転攻勢に出ていきます。今後2年で回復といえるところまで持っていきます。

 食品事業は、内臓脂肪低減を訴求するトクホ飲料市場の競争が激化したことで「ヘルシア」が苦戦を強いられていました。2018年は売上の減少傾向に歯止めを掛け、攻勢に転じる1年にしたいということで、効果を実感していただけるよう継続飲用にターゲットをあて、ケース購入を促してきました。ロイヤル化が図れたことで、さらなる売上の減少には歯止めを掛けられましたので、2019年は粉末タイプ(緑茶・黒豆・コーヒーの3種、機能性表示食品)をeコマースだけでなく、ドラッグストアルートにも広げていくことで、花王らしい食品事業を再興するための第一歩としていきます。

 「コア事業の維持」については、課題が残る1年となりました。当社では、シェアも収益性も高い事業であるファブリックケアをコア事業と位置づけていますが、競合との切磋琢磨の中でシェアを上げるというところには至りませんでした。2019年は業界を牽引するような製品を投入し、大きく勝負していきます。

 全体的には、売上・利益とも前年を上回る実績を確保する見込みですが、もう少し伸ばしたかったというのが正直なところです。

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