あらた(須崎裕明社長)は、2018年3月期を初年度とする中期3カ年経営計画を推進している。最終年度となる2020年3月期には、売上高7800億円、経常利益105億円、純利益68億円、ROE9%台の実現をめざす。
この一環として2019年4月1日付でグループ子会社の「ファッションあらた」を統合する。統合による相乗効果でヘルス&ビューティカテゴリーを3年後、売上高2600億円規模にする方針だ。さらに家庭用品カテゴリーの強化や、成長率の高いeコマース、海外事業の拡大にも注力する。
生産性の向上では、「業務改革本部」を新設し、間接業務の集約やAIの活用などによる業務改革も推進する。
須崎社長に今後の経営課題についてインタビューした。
ビューティ関連の家庭用品も強化
――中期計画の基本課題である成長戦略についてお聞かせ下さい。
須崎 2019年4月1日付で、「ファッションあらた」を「あらた」に経営統合します。統合のねらいは、当社として最優先の課題であるヘルス&ビューティカテゴリーの強化です。
当社の販売チャネルでは、ドラッグストアが売上構成比の48%を占め最大です。また商品部門別売上構成比ではヘルス&ビューティが31%を占めており最大カテゴリーとなっています。しかも売上伸び率は今期上期でも6.4%増と全体の3.1%増の倍以上の伸びを続けています。
ヘルス&ビューティは、ドラッグストアの主力商品であり、これをさらに強化することは当社の成長につながります。
「ファッションあらた」はグループの中でも業績は好調です。その化粧品関連分野における特殊性、専門性といった強みを活かしながらも、一体化することでグループ全体としての力を結集し、ヘルス&ビューティの強化に取り組みます。「あらた」は全国に物流ネットワークを構築しており、この面での相乗効果も追求できます。
――家庭用品カテゴリーの強化にも取り組まれていますね。
須崎 当社が強化したいと考えているのは、ドラッグストアやスーパーマーケットを中心とする家庭用品売場の商品です。これをきっちり網羅することが課題です。
家庭用品に対してお客さまは、機能性や使い勝手などを重視しても、あまりブランドを意識しません。この意味で、我々の強みを活かして売場の活性化に貢献できる可能性は充分あります。
例えば、シャワーヘッドにビタミン剤を組み込んで髪をなめらかにする商品は、通常の家庭用品売場に置くとそれほど売れません。しかしグループ子会社の「販促工房」がPOPや簡単な什器を作り、ヘアケア売場や美容家電売場などに置くことで数千個売れる商品になります。
我々は化粧品やトイレタリーの売場に深く関わっておりますので、こうした提案ができる立場にいます。