花王グループは、2018年1月1日付で、美容カウンセリング専門会社の設立を含めた、コンシューマープロダクツ事業にかかる国内販売会社の再編を実施し、グループの総合力、専門性、生産性の向上を目指して、「花王・カネボウ化粧品の販売会社一体化」「美容カウンセリング専門会社の設立」「マーチャンダイジング機能の集約」の3つを軸に新体制での運営をスタートさせた。
竹内俊昭社長にこれまでの活動の成果と課題、今後の経営方針についてインタビューした。
2018年はトイレタリー市場、
化粧品市場とも101%で推移
――トイレタリー市場や化粧品市場の動向についてはいかがでしょうか。
竹内 昨年1~11月までの累計金額(インテージ、SRI)でトイレタリー市場は101.2%となっています。1~3月は99.7%と前年割れでスタートしましたが、4月以降は、4~6月が101.7%、7~9月が101.7%、10~11月が101.9%となっており、比較的堅調に推移しています。年間では微増で着地するものと見ています。
一方、昨年1~11月までの累計金額(インテージ、SRI)で化粧品市場は101.5%となっています。1~3月が102.5%、4~6月は101.8%、7~9月は101.1%、10~11月は100.1%と少しずつ下がってきています。
こうした状況の中、当社では、主要カテゴリーで競合との激しい競争により、1~6月は苦戦しましたが、7月以降は回復傾向にあります。
特に、当社では、「ベビー用紙おむつ」「ヘアケア」「衣料用洗剤」が苦戦しました。
「ベビー用紙おむつ」については、市場が前年割れとなる中、市場を上回るマイナスとなりました。インバウンド需要の減少や中国電子商取引法などの影響により、「メリーズ」の国内販売が低迷したことが主な要因ですが、日本人による購入はむしろ増えており、シェアも上がってきています。
「ヘアケア」については、800円以上のプレミアム市場と、800円未満のマス市場に分けて分析すると、プレミアム市場が伸長し、マス市場が減少している状況です。直近ではプレミアム市場とマス市場の規模はほぼ拮抗しています。
縮小傾向にあるマス市場を主戦場とし、「メリット」や「エッセンシャル」を展開する当社では、改良によりテコ入れを図り、出荷も順調に進みましたが、マス市場がシュリンクしていく中で、シェアを拡大できても売上が減少してしまうという状況でした。
2019年はマスブランドとともに、プレミアムラインの強化も行っていきます。
「衣料用洗剤」は、競合との競争激化により特に上期が非常に苦戦を強いられました。下期からは在来型の「アタック 抗菌EX スーパークリアジェル」と濃縮型の「アタック Neo 抗菌EX Wパワー」のブルー2品を押し出したプロモーションを実施し、巻き返しを図りました。「フレグランスニュービーズジェル」の改良が寄与したこともあり、下期以降はシェアが回復傾向にあります。ただ、前半のマイナスがあったのは事実であり、トータルでは厳しい状況となりました。
一方、カテゴリーでは「洗顔料」「生理用品」「日やけ止め」「制汗防臭剤」、ブランドでは「カビハイター」「キュレル」が好調に推移しました。