資生堂、世界初の新規クレンジング製剤を開発

粧業日報 2019年3月19日号 1ページ

カンタンに言うと

  • 優れたメーク落とし効果がありながら泡立てることが困難であった「バイコンティニュアスマイクロエマルション(BME)」溶液を泡状にすることに世界で初めて成功。
  • 肌に負担をかけずに心地よくメーク汚れを落とすことが可能に。
資生堂、世界初の新規クレンジング製剤を開発
 資生堂は、優れたメーク落とし効果がありながら泡立てることが困難であった「バイコンティニュアスマイクロエマルション(BME)」溶液を泡状にすることに世界で初めて成功し、優れたメーク落とし効果と泡状にすることを両立し、泡が自発的にメークを溶かし出すこの技術を活用した新規クレンジング製剤を開発した。

 なお、同技術は昨年12月に開催された「第83回日本化粧品技術者会(SCCJ)研究討論会」にて発表され、渡辺啓主幹研究員が最優秀発表賞を受賞している。

 この技術が開発されたことで、心地よく使用できる高付加価値クレンジング製剤の開発が可能となるため、メーク落としの基本価値である「メークが落ちる」「さっぱりする」といった機能のみならず、「肌に負担をかけずに軽くなじませるだけでよく落ちる」「たれ落ちない」「洗い流しがしやすい」といった機能までを付与することができるという。

 一般的に、洗浄剤を泡にすると、洗浄成分の分散性が高まり洗浄力を発揮しやすくなるため、汚れとの付着性が向上し洗い流しが容易になるほか、泡ならではの使用感の良さなどのメリットが得られるため、従来より泡立つタイプの製品は存在していたが、優れたメーク落とし効果をもたせることは難しいとされてきた。

 これは、メークに含まれる疎水性固体や油性成分が泡を壊す作用があり、それらを落とすためには相当量の油性成分が必要となるためであり、優れたメーク落とし効果をもつ泡状のメーク落としをつくることは不可能と考えられてきた。

 今回は、メーク落とし効果が良好である「バイコンティニュアスマイクロエマルション(BME)」構造中に、本来共存することが難しい、泡を立てる性質のあるイオン性界面活性剤を均一に混ぜ込む(ハイブリッド化する)ことに成功し、世界で初めて洗浄効果の高い泡状のメーク落としを実現した。

 BMEとは、透明で均一な溶液で、油と水の両方がそれぞれに連続した層をなす状態を指し、油にも水にも良くなじむため優れたメーク落とし効果を有するが、泡状にするためには従来不向きとされていた。

 さらに、この「ハイブリッドBME」の泡ならではの特徴である、外から物理的な力をかけなくても泡が自発的にメークを溶かし出すという現象を見出した。

 これは、この泡がメークと接触して泡がはじけ、破泡のエネルギーにより「ハイブリッドBME」に流れが生じてメークとなじみ、はじけてできた空洞に新たな泡が供給されることの繰り返しによるものと考えられるという。
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