資生堂、寒暖差が直接的に肌荒れを引き起こすメカニズムを解明

粧業日報 2019年4月18日号 2ページ

資生堂、寒暖差が直接的に肌荒れを引き起こすメカニズムを解明
 資生堂は、寒暖差(温度低下刺激)により肌のバリア・保湿機能に重要な酵素の1つである「カスパーゼ14」が減少し、肌荒れの原因となることを発見した。

 従来、季節の変わり目に生じる肌の不調は自律神経の乱れなどに起因すると考えられていたが、今回の発見では寒暖差が直接的に肌に悪影響をもたらす要因であることを解明した。さらに、木苺果実抽出液が「カスパーゼ14」を増加させることも同時に見出した。

 今回の研究成果を活用し、季節の変わり目や室内外の行き来といった急激な寒暖差でも、健やかな肌を保つことのできるスキンケア製品の開発を進めていく。

 多くの女性が悩む敏感肌や肌荒れは、夏から秋・冬にかけての季節の変わり目で特に生じやすいことが知られている。

 同社が行った20歳~49歳の敏感肌女性200名を対象にしたアンケート調査では、97%の人が「寒暖差は肌にダメージを与える」という意識があることが明らかになった。このことに着目し、同社では「寒暖差」が引き起こす肌荒れメカニズムの解明に取り組んだ。

 同社では温度低下刺激を与えた3次元皮膚モデルによる実験を行い、「寒暖差はカスパーゼ14の遺伝子量を減少させる」ことを新たに発見した。これにより、寒暖差で生じる肌荒れの一因として、「カスパーゼ14」の減少により正常な角層形成・天然保湿因子(NMF)の産生が妨げられることが考えられるという。

 寒暖差により減少する「カスパーゼ14」を増加させる成分を探索した結果、木苺果実抽出液に皮膚細胞中のカスパーゼ14産生促進効果があることを見出した。

 このことから、木苺果実抽出液は寒暖差で減少する「カスパーゼ14」を増やし、寒暖差に負けない健やかな肌を生み出す効果がある可能性が見出された。

 今回発見した「寒暖差によりカスパーゼ14が減少し、肌荒れの原因となる」という新たな肌荒れメカニズムとそのソリューションは、季節の変わり目や室内外の行き来で生じる肌荒れ改善に新しい視点を提供するものであり、今回の研究成果をもとに寒暖差による肌荒れの改善に資するスキンケアの開発に向け新たな研究を進めていく。
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