ライオン、高齢者介護施設における口腔ケアで調査結果を発表

粧業日報 2019年6月5日号 4ページ

ライオン、高齢者介護施設における口腔ケアで調査結果を発表
 ライオンは、2018年11月28日~12月19日にかけて、ベネッセスタイルケアと共同で、高齢者介護施設で働く職員2646人(男性:814名、女性1832名)を対象に、施設で実施している口腔ケアに関するアンケート調査を実施した。

 その結果、介助業務の中で口腔ケアは、「専門的な知識や技術が必要」と感じる業務の1位(49%)に挙げられ、高齢者施設で口腔ケアをより充実するには、「口腔ケアの専門的な知識とスキルについての職員への教育」「訪問歯科医との連携の強化」「職員・入居者本人への啓発」が重要であることがわかった。

 入居者の口腔ケアに対する意識については、83%の職員が健康維持のために「口腔ケア」は重要と捉えており、86%の職員が「もっと力を入れて取り組みたい」と考えていた。口腔ケアに関して学びたい知識スキルは、「口腔内の状態別のケア方法」(63%)、「誤嚥性肺炎の予防方法」(56%)、「ケア用品の効果的な使い方やコツ」(51%)が挙げられ、これらの習得の機会が求められていた。

 職員が感じる口腔ケアの課題については、「歯や口の中がきれいになったのか、どういう状態がゴールなのかわからない」という回答が最も多く挙げられ、知識や経験に頼らずに口腔ケア完了の判断ができるわかりやすいマニュアルや基準が求められていることが示唆された。

 施設に定期的に訪れる歯科医師の指導をケアプランに反映できていると答えた職員は、口腔ケア時に実施する口腔状態のチェック項目が多い傾向がみられ、訪問歯科医との連携強化が口腔ケアのレベルを向上させることが示唆された。

 実際、自身の口腔衛生に対する意識が高い職員ほど、入居者の口腔ケア時に実施する口腔状態のチェック項目や使用している用具の数が多く、職員の個人的な口腔衛生に関する知識や経験が、入居者に実施する口腔ケアの内容に影響することが推察された。つまり、口腔ケアの技術的な教育とあわせて、職員本人の口腔衛生意識を高める教育も重要であることが示唆された。

 入居者に対しては、「ケアの方法の伝え方を工夫する」「繰り返し口腔ケアの重要性を伝える」等の働きかけをすることで口腔ケアに協力的になり、口腔内の症状も改善されるという事例が報告されており、入居者自身が積極的に口腔ケアに取り組みたくなる啓発や伝え方の工夫が有用であることが示唆された。
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