日本コルマー、感覚的表現を数値化する技術構築

週刊粧業 2019年7月1日号 26ページ

日本コルマー、感覚的表現を数値化する技術構築
 化粧品・医薬部外品OEM/ODMの国内最大手である日本コルマーは昨年、プロダクトイノベーションを掲げる横浜研究所を移転拡張するとともに、大阪市内に有用性評価・安全性試験と新規原料の開発などを行う基礎研究所としてスキンリサーチセンター(SRC)を開設し、国内5研究所体制を整えた。

 研究開発本部の田中克昌取締役は「OEM業界もグローバル競争力の強化が不可欠となり、ODM化加速のための研究開発を推進している」と話す。その一環として「消費者の立場に立った製品開発」の実現に向け、外部機関と連携し、一般生活者を対象にしたモニター調査やアンケート調査を取り入れ、消費者インサイトを起点にした製品開発の仕組みを構築した。



 小池高広執行役員は「SRCは、最終製品での肌への有用性評価も行える設備・環境が整い、新しい評価系の構築にも取り組んでいる」と話す。化粧品塗布による肌の「もっちり感」などヒトの感覚で表現されてきた評価を数値化・可視化できる技術を確立し、販売にそのまま活用できる形での提供を実現する。

 出展する海外の展示会では「評価データを揃えた展示製品を気に入り、そのまま採用される事例もある」ほどで、オールインワンジェルなど差別化が難しくなってきたカテゴリー製品も「まだまだ新たな価値を見出すことができる」と話す。

 横浜研究所は、新規性の高い処方の基盤技術開発と、その基盤技術の化粧品製剤への応用化実現に向けて産学連携でスタートし、昨年の移転拡張に合わせて基礎研究を行える環境も整えた。

 田中取締役は「研究所内で処方開発から有用性評価・安全性試験までワンストップで行える体制が整い、新規素材の持ち込みや共同開発などの依頼もこの1年で増えている」と話し、こう続けた。

 「新しい技術開発も、『使い続けることで美しくなる』という化粧品の本質的な価値に結びつかなければ意味がない。本質的な価値を見失うことなく、根気強く取り組んでいきたい」(田中取締役)
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