コーセー、構成タンパク質のシワ・たるみへの影響を確認

粧業日報 2019年9月6日号 2ページ

カンタンに言うと

  • シワやたるみにアプローチするエイジングケア化粧品の提供へ
コーセー、構成タンパク質のシワ・たるみへの影響を確認
 コーセーは、星薬科大学 基礎実習研究部門 輪千浩史教授との共同研究により、真皮弾性線維の三次元解析を行った結果、加齢に伴い線維の方向性と分布が変化しており、さらには真皮弾性線維の構成タンパク質の存在状態にも変化が生じていることを明らかにした。

 これにより構成タンパク質の存在状態がシワやたるみに影響を与えている可能性があることが示唆された。

 同社は、シワやたるみが発生するメカニズムの解明や有効なアプローチ方法の開発のために、皮膚の構造や弾力を維持する上で重要な真皮弾性線維をターゲットにした研究を重ねてきた。

 これまで、真皮弾性線維の構成タンパク質の存在状態の加齢変化に関する解析は、主に二次元での観察手法により行われてきたが、その手法では真皮中において三次元に複雑に分布する弾性線維の構造変化(例えば線維の枝分かれや連続性など)を理解するには不十分だった。

 そこで今回は、真皮中に三次元に分布する真皮弾性線維の存在状態と、その加齢変化を正確に把握すべく、「組織の劣化が進む前に摘出後速やかに処理した皮膚組織を観察する」という手法を用いて真皮弾性線維の三次元解析を行った。

 実際に「コーセー研究所 フランス分室」にて行われた研究では、若齢者と老齢者より摘出された皮膚を速やかに処理し、共焦点レーザー顕微鏡を用いて観察。真皮弾性線維全体の三次元画像の再構築が行われた。

 その結果、若齢皮膚(30代)において真皮乳頭部全体に張り巡らされた垂直方向の真皮弾性線維が、老齢皮膚(70代)では減少するとともに、線維の方向性と分布が変化していることを確認した。

 つまり、真皮弾性線維の主要構成タンパク質である「フィブリリン-1」と「エラスチン」の三次元解析により、それらの加齢変化の可視化に成功したことになるという。

 さらに詳細に解析を行うため、若齢皮膚(30代)における、真皮弾性線維の主要構成タンパク質である「フィブリリン-1」と「エラスチン」を免疫染色後、共焦点レーザー顕微鏡にて立体像を取得した。

 その結果、若齢者(30代)の真皮乳頭層においては、垂直方向に連続的に走る線維状の「フィブリリン-1」と「エラスチン」の存在が確認され、真皮乳頭部全体に広がる様に細かく枝分かれをして存在していることがわかった。これまで、この垂直方向の真皮弾性線維にはエラスチンが存在しないと考えられてきたが、今回新たに、エラスチンの存在が明らかとなった。

 同社では、今後も最新の解析技術を駆使し、加齢に伴うこれらの真皮弾性線維の構造変化における詳細なメカニズムの解明を行っていくとともに、シワやたるみにアプローチするエイジングケア化粧品の提供につなげていく。
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