セントラル・コーポレーション、ヒト幹細胞の研究を推進

週刊粧業 2019年11月4日号 7ページ

セントラル・コーポレーション、ヒト幹細胞の研究を推進
 セントラル・コーポレーションは1980年の創業以来、在庫バルクの小分けではなく、ゼロからのオリジナルブレンドで「わずか100個から化粧品をつくる」小ロット製造のパイオニアとして知られる。

 独立を目指す起業家を支援し続けて今年で40年目を迎え、2011年にはこうした取り組みが評価され、日本文化振興会から社会文化功労賞が授与された。

 同社では小ロット製造による化粧品OEMと並行し、創業から一貫してエイジングケア化粧品研究にも取り組んでいる。

最先端の幹細胞化粧品の実現へ
常に最新の幹細胞原料を追求

 ――「幹細胞化粧品」が注目を集めていますが、化粧品の潮流の変化をどのようにみていますか。

 笹山 消費者ニーズは、単に保護・保湿を図る保護化粧品から、細胞増殖を含めたアンチエイジング化粧品へと大きく変化してきている。

 こうした流れを理解すれば、消費者が最先端の幹細胞化粧品を求めるのは火を見るより明らかだ。実際にここ数年で、幹細胞化粧品OEMの受注件数が急激に拡大している。



 ――「幹細胞」に関する最新の研究成果をお聞かせください。

 笹山 医療の研究が進歩するに従って、化粧品の分野も進化させる必要があると考えている。

 当社では、2人の博士号を取得した専門研究家が在籍し、幹細胞に関する研究を常に行なっている。1人目は、歯科大学大学院研究部に所属し、口腔インプラント学を応用した幹細胞を用いたアゴの骨の再生に関する研究を専門としている。2人目は、歯の噛み合わせによる顔の表情筋に関するアンチエイジング研究を専門に行っている。

 また、ヒト幹細胞培養エキスの「日本総輸入元」にもなっており、差別化された化粧品を扱いたいというクライアントの要望に応えるべく、高品質原料の情報を世界中から収集し続けている。

 2018年10月24日にはネパールで、幹細胞によるあごの骨の再生に関する研究の成果を発表した。2019年4月20日には、国内の日本歯科理工学会でも学術発表を行っている。

 その博士によると、幹細胞培養液は、幹細胞を培養する時の「熟成度」によって成分濃度が極端に変わることが大きな問題で、注意が必要とのことだ。

 ただし、誤解していただきたくないのは「幹細胞化粧品」とは言うものの、「幹細胞が入っている化粧品」という意味ではないということだ。

 現在流通している「ヒト幹細胞化粧品」はすべて、正確にいうと「幹細胞培養エキス」だ。幹細胞培養エキスには、細胞を活性化させるさまざまな生理活性物質や成長因子が含まれており、細胞増殖の効果などが期待できる。

 ――「幹細胞」をうたう化粧品が近年増えていますが、選び方でポイントとなることはありますか。

 笹山 最も大切なポイントは、「ヒト由来」か否かだ。地球上の種の存続の原理を考えてみれば明らかで、ヒトとヒトは結び付くが人工的に遺伝子を操作しない限り、ヒトとクモが結びついたりはせず、ましてヒトと植物が種を飛び越えて結びつくことはない。

 人には「ヒトのレセプター(受容体、鍵穴)」があり、ヒト由来の幹細胞化粧品は「ヒトのリガンド(鍵)」を持っているからこそ結びつくことができる。植物由来の幹細胞が、ヒトのレセプターに結びついて細胞増殖に至るといったことはないというのが細胞学的基礎知識だと捉えている。

 ただ、植物由来の幹細胞化粧品に効果がないといっているわけではない。植物エキスと同様、保護化粧品としての効果は十分に期待できるだろう。

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