日本色材工業研究所は、2018年9月から着工していた「つくば工場」の第3期工事を終え、取引先や関係者ら約120人を招き、11月29日に新棟内覧会・落成祝賀パーティーを開催した。
落成祝賀パーティーの冒頭で、挨拶に立った奥村浩士会長は、「30年来の夢である座間工場に次ぐ2棟目のバルク製造工場が実現し、日本の化粧品製造にあたる一員として、今後もできる限りの力を発揮していく。つくば工場は、化粧品GMP(ISO22716)と米国向けOTC製品の製造規範(cGMP)の2つのレギュレーションに準拠している。日本の化粧品業界ではcGMPがまだポピュラーではないため、まずはアメリカへの輸出を検討している日本企業からの受注を増やしていく。将来的には、フランスのグループ会社を通じ、ヨーロッパの企業からアメリカに向けてOTC基準を満たした製品に対する受注の可能性が広がることも期待している」と述べた。
同社は現在、国内3工場(座間工場・吹田工場・つくば工場)に加え、グループ会社(テプニエ社・日本色材フランス社)を含め日仏で5工場を展開している。
つくば工場は、2012年7月に生産能力の増強と座間工場に次ぐ国内2拠点目のバルク製造工場を目的に、茨城県つくば市内のつくば北部工業団地内にあった既存の工場・用地を取得して誕生した。
敷地面積(3万4902㎡)は座間工場の5倍に及び、国内3工場の中でも最大規模で、従業員数が約200名、月間生産量が250万個以上にのぼるという。
第1期工事は2014年2月に竣工し、1号棟の全面改修で生産ライン2フロア(充填4ライン・包装4ライン)を新設した。
第2期工事は2017年4月に竣工し、2号棟の3階のみ改修を行い、生産ライン(充填4ライン、包装3ライン)を増設したほか、製品保管用倉庫と屋内連絡通路を新設した。
今回の第3期工事では、既存の建屋を取り壊して新棟(3号棟)を建設し、1階にバルク製造(乳化釜4基、3本ロール2台)フロア、2階に生産ライン(充填5ライン、包装5ライン)を設置し、原料・バルク保管倉庫(一部温度管理可能)も新棟に設置した。
生産ラインは11月より順次稼働し、バルク製造は2020年1月から本格稼働する。新棟の竣工により、バルク製造量は従来比で1.5倍まで拡大する見通しだ。
第3期工事ではこのほか、バルク製造の開始に伴い排水処理施設や危険物倉庫を新設した。
また、現在は2号棟に各種試験室の新設工事(2020年5月末竣工予定)が進んでおり、2020年6月以降につくば工場で必要な検査試験が全て実施できる環境が整うという。