花王 澤田社長、未来に向けた新たな挑戦

週刊粧業 2020年1月1日号 68ページ

花王 澤田社長、未来に向けた新たな挑戦
 本年は、花王グループ中期経営計画「K20」の最終年度になります。現在その達成に向けてグループの総力を挙げて取り組んでいますが、それと並行して、大きな変化に立ち向かっていくことが急務です。

 昨年9月、花王グループは、2025年、2030年、それ以降も持続的な成長が可能となる基盤構築に向けて、ESG(環境・社会・ガバナンス)経営に大きく舵を切っていくことを宣言いたしました。企業理念である「花王ウェイ」の本質は不変ですが、今後はESGを強く意識し、花王グループの使命を果たしていきます。

 私たちの大きな強みのひとつは研究開発力です。技術革新によるイノベーション提案により、大きな変化に立ち向かっていきたいと思います。

 今後花王グループは、これまでのやり方・あり方・考え方を抜本的に変え、創業以来培ってきた「よきモノづくり」の思想を、技術開発や商品設計の最初の段階から花王らしいESG視点を盛り込んだ「ESGよきモノづくり」へと高めるとともに、原料から製品の廃棄(処理)まで一貫して取り組む「Newバーティカルインテグレーション」を推進していきます。

 また、ESG本質研究に基づく「Kireiイノベーション」により事業領域を拡げ、人や社会に大きな衝撃を与えていきたいと考えています。

 具体的には、昨年4月に公表した花王のESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」(キレイライフスタイルプラン)をベースに、花王グループ全体の注力アクションとして、プラスチック循環社会に向けた「リデュースイノベーション」「リサイクルイノベーション」と、QOLの向上等に寄与する「ソーシャルイノベーション」の3つのイノベーションに取り組んでまいります。

 直近では、「ソーシャルイノベーション」の成果として、「ファインファイバーテクノロジー」の応用第一弾の展開を始めました。昨年12月に、花王の「est(エスト)」、およびカネボウ化粧品の「SENSAI(センサイ)」から、高性能小型ディフューザーによりつくられる極薄膜と専用美容液を組み合わせた、新たなナイトケアの提案をスタートさせています。今後は化粧品だけでなく、医療領域への展開も視野に入れ、研究を深耕していきます。

 また、花王が開発した皮脂RNAモニタリング技術の実用化に向けては、昨年11月より、機械学習・深層学習などのAI技術に強みを持つ㈱Preferred Networksとの協働プロジェクト「Kao×PFN皮脂RNAプロジェクト」を開始しました。新たな美容カウンセリングサービスの早期構築をめざしてまいります。

 さらに今春からは、「Kirei Lifestyle」を体現する新ブランドを提案していきます。まずはESGへの意識が高い欧米から展開を図り、その後、日本やアジアでの展開も視野に入れてまいります。

 花王グループは、未来に向けた新たな挑戦として、ESG経営に大きく舵を切り、花王らしいアプローチにより、生活者に、そして社会、地球に貢献してまいります。
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