ヒノキ新薬 阿部社長、古きを訪ね新しきを知る

週刊粧業 2020年1月1日号 41ページ

ヒノキ新薬 阿部社長、古きを訪ね新しきを知る
 昨年は人手不足、または消費者物価指数ばかりが話題のような1年でした。もちろん、外交面での多くの問題もありましたが、1年を通して話題とされてきたのはその2つだったのではないでしょうか。

 いよいよオリンピックの年とやらに入って、そのあとはどうなるのか……様々な説が飛び交っていますが、当たるも八卦当たらぬも八卦。

 人手不足がいつまで続くのか、少子化を改善したところで、20年先までその結果は生まれて来ません。今まで出た数字、或いは近視的にしか物事を見て来なかったことの結果ではないでしょうか。

 昨今では「観光立国」も叫ばれておりますが、オリンピックをやったから、或いは博打場を作ったからといって、日本国の観光を客観的に見た場合、東京・大阪などの都会のビル街はモダンに綺麗になってはいるものの、都市の魅力が大きくなっていると言えるのでしょうか。

 「東京を世界一美しい都市に」と申された方もおりましたが、都市とはそこに住む人が美しくあってのもの。ビルがきれいになっていようとも、そこにいる人々がお洒落で美的でなければ美しい街とは言えないでしょう。

 景勝地に展望台を作っても、5年、10年後には周りの木々で展望が阻害されてしまいます。さて、木を切るには環境保全とやらで、役所の許可が必要です。また、地方の国道沿いには、めったやたらに目立ちたいだけの街頭看板。観光立国を目指すなら街灯看板に適応の課税をし、その上がりを長期的な観光開発に回すべきではないでしょうか。

 須く、少なくとも10年、15年、できれば30年くらいの期間で物を見ることを考えるべきだと思うのです。150年弱かけて完成しようとしているガウディのサグラダファミリアも、オーバーツーリズムの中、その竣工を急いだせいなのでしょうか。今や見るに値しないものになりつつある、そんな思いでした。

 夜更かし不摂生の上の厚化粧。問題発言と言われそうですが、一夜明ければ無残な化粧崩れの怪しげ姿。そんな悪夢を杞憂しつつも、オーバーツーリズムに輪をかけるような「おもてなし」のキャンペーンを打つよりは、もう少し地道な日本らしさを他国の人に知ってもらい、江戸から明治期に日本を訪れた外国人の、日本への評価が書かれている「逝きし世の面影」(渡辺京二 著)にある、古き良き日本の姿こそ、観光立国日本として、考えるべきことが多くあるのではないでしょうか。
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