日本石鹸洗剤工業会 掬川正純会長、SDGsのもとでさらなる発展を

週刊粧業 2020年1月1日号 4ページ

日本石鹸洗剤工業会 掬川正純会長、SDGsのもとでさらなる発展を
 さて、昨年の世界経済は、米中の貿易摩擦、中国経済の減速、及び地政学的リスクの不安などから成長が鈍化しました。

 一方、日本経済は、消費増税による反動は大きくないものの、内需に力強さがなく低成長が続くと見られます。更に、頻繁におこる自然災害や労働力逼迫などにも対応が必要です。

 このような状況下、家庭用洗浄剤や、その原料となる油脂製品と産業用途品を製造するメーカーよりなる団体の日本石鹸洗剤工業会は、更なる発展に向けて業界の共通課題を解決するなど努力を図って参ります。

 具体的には、2030年に向けた「持続可能な開発目標SDGs」に即した活動です。

 昨年10月にオーストラリアのシドニーにて第12回アジア・オセアニア石鹸洗剤工業会があり、当工業会の方針と活動の基調講演を行いました。

 趣旨は「世界経済の減速が言われているが、アジアでは人口増と可処分所得の伸長から、地域の購買力は、今後10年で2倍に増大する。この経済伸長を支えるには、プラスチック問題・資源問題などSDGsに関する課題に地域や業界を超えた取り組みが必要である」というものです。

 当工業会は、キーワードを、3C(Clean 清潔、Comfortable 快適、Convenient 便利)、3S(Safe 安全、Saving 節約、Sustainable 持続可能)と定めています。

 これに基づく、令和2年(2020年)の4つの活動方針と内容をご紹介します。

 第一はサステナビリティへの取り組みです。

 人への安全では、使用する化学物質の安全性を確認して「安全・安心」を確保することと使用方法などの分かりやすい情報提供を進めます。

 水環境の保全では、1998年より河川の継続的な水質モニタリングを行っており、これを進めます。

 また、プラスチック問題については、90年代より濃縮洗剤や詰め替え容器を積極的に導入して、容器包装プラスチックの削減に取り組んで参りました。

 今後も、循環型社会形成に向けて、第三次自主削減計画を引き続き推進します。

 第二は、広報・啓発活動の強化・充実です。国を超えた人の行き来が盛んになり、インフルエンザなどの感染症拡大の脅威は以前より増しています。簡単で効果のある対策としての手洗いは、世界的にも重要です。

 児童への手洗いの啓発を目的にした「手洗いポスターコンクール」の継続、及び先生方が児童に手洗いの指導に取り組めるよう、先生方と共同で開発した教育プログラムの普及に取り組みます。

 第三は、パートナーシップです。行政関連機関・関連団体・学会の皆様と密な情報交流を行い業界の発展に努めます。また、国際工業会議の一員として海外の関連団体との情報交流や協力により、ベストプラクティスの共有と海外への情報発信を行います。

 第四はイノベーションの支援です。消費者の生活実態や洗濯機などの洗濯環境の変化の把握の為の洗濯実態調査、及び、技術標準であるJISや界面活性剤のISOの改訂や追加を行い、イノベーションを生む基盤を強化します。

 これらの活動を通して、消費者やユーザーの皆様にご満足いただけるよう、活動してまいる所存です。

 関係各位のご支援とご指導をお願いするとともに、新年が皆様にとりまして、ご多幸な年でありますよう心よりお祈り申し上げます。
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