コーセー、肌バリア機能を簡便かつ迅速に計測する技術を開発

粧業日報 2020年2月10日号 1ページ

カンタンに言うと

  • 顧客の肌状態を正確に把握するツールとして店頭カウンセリングで活用
コーセー、肌バリア機能を簡便かつ迅速に計測する技術を開発
 コーセーは、肌のマイクロスコープ画像から図形的な特徴量を抽出し、その特徴量から機械学習によって肌のバリア機能を評価する手法を開発した。これにより肌のバリア機能を簡便かつ迅速に計測することが可能となる。

 今後、店頭カウンセリングにおいても同技術の活用を検討し、顧客の肌状態をより正確に把握することで、一人ひとりの肌状態に適したスキンケアの提案を目指していく。

 現在、肌バリア機能は経皮水分蒸散量(TEWL)の測定で評価されることが主流だが、TEWLの測定値は外部環境により大きく変わってしまうため、一定環境が作れる特殊な部屋で測定する必要があり、さらに測定には一定の時間を要するため、これまで簡便に肌のバリア機能を測定することは困難だった。

 そこで今回は、簡便かつ迅速な肌バリア機能測定を推進すべく、理化学研究所医科学イノベーションハブ推進プログラムを活用し、慶應義塾大学医学部皮膚科学教室の協力のもと、画像から肌バリア機能を推測するプログラム技術の開発に取り組んだ。

 その結果、マイクロスコープを用いて肌の画像を撮影し、トポロジカルデータアナリシスを主体とする一連の解析行程を経て抽出した特徴量はTEWLと高い相関性を有していることが明らかになった。

 この特性を利用し、肌画像から抽出した肌表面の位相的特徴量とその他年齢などの因子を基に機械学習アルゴリズムの1つであるランダムフォレスト回帰を行うことによりTEWLを精度よく推測することが可能となった。

 この研究成果は、「Society for Investigative Dermatology 77th Annual meeting(2019年5月8~11日、シカゴ)や「第44回日本香粧品学会(2019年6月28・29日、東京)にて発表している。

 今回の手法は特殊環境や特殊装置を必要とせず、簡便かつ迅速に肌のバリア機能を計測することができ、さらに肌情報の取得と解析を遠隔にて実施することが可能な技術であることから、これらの特徴を生かし医療分野など多方面への展開が期待されている。

 同社では今後、店頭カウンセリングにおいても同技術の活用を検討し、顧客の肌状態をより正確に把握することで、一人ひとりの肌状態に適したスキンケアの提案を目指していく。
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