桃谷順天館、「にきびとり美顔水」が化学遺産に認定

粧業日報 2020年3月23日号 4ページ

桃谷順天館、「にきびとり美顔水」が化学遺産に認定
 桃谷順天館グループでは、日本初の西洋医学処方による化粧水「にきびとり美顔水」の容器3点(1885年発売当時のもの)が日本の化学および化学技術にとって歴史的に貴重な史料として、公益社団法人日本化学会が主催する2019年度「日本化学会化学遺産」に認定された。

 創業者である桃谷政次郎氏(1863~1930年)は、約400年前の慶長の時代から紀伊國粉河(現・和歌山県紀の川市粉河)で代々薬種商「正木屋」を営んでいた家系に生まれ、和歌山県立薬舗学校に学んだ後、紀州初の薬剤師となり創薬に励んだ。

 明治になり、西洋医学・薬学が重視されるようになったため、西洋医学者として高名だった東京帝国大学 桜井郁二郎教授を訪ねて最新の製薬技術を学び、その指導の下、にきびに悩む妻のために、日本で初めて西洋医学を取り入れた処方で「にきびとり美顔水」を開発した。

 帰郷後、「にきびとり美顔水」を使用した妻の肌がみるみるうちに美しくなり、その効能は地元で評判を呼ぶ。

 1885(明治18)年に販売を開始すると、全国にその名を馳せるほどのヒット商品となり、やがて海を越え、海外での販路も拡大させていった。その「にきびとり美顔水」は、現在に至るまで処方を一切変えず、にきびに悩む人々に寄り添い続けている。

 今回、化粧品工業の方向を決めた最初の画期的な製品であり、日本の化学技術にとって歴史的に貴重な史料であることから日本化学会化学遺産に認定された。
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