エア・ウォーター・ゾル、新研究所の完成で化粧品開発を強化

粧業日報 2020年3月27日号 1ページ

カンタンに言うと

  • 「高付加価値」をテーマにODMの基盤構築へ
  • 新研究所を「価値づくり」のベースに
  • コラーゲン研究をさらに深化、「生活科学戦略室」も新設
エア・ウォーター・ゾル、新研究所の完成で化粧品開発を強化

新研究所を開設した想いを語る尾上英俊社長

新研究所を「価値づくり」のベースに

 会見は当初、新研究所にて見学会を兼ねて予定していたが、新型肺炎の感染拡大の影響を配慮して見学会を取りやめ、都内の本社に場所を変更して開催された。

 会見の席で、尾上英俊社長は「新研究所は、当社が掲げる『モノづくりから価値づくり』の核になるため、開所会見は必ず開かねばならないと思っていた。事業環境は厳しい状況にあるが、研究所で『高付加価値』をテーマに化粧品の研究・技術開発を磨いていくことが成長につながると信じ、それを実現するという気持ちを強くもって取り組んでいく」と語り、20年3月期の状況を語った。

 「18年11月に化粧品の製造を主とする茨城第二工場が完成し、さあこれからというところで、19年1月に施行された中国EC法や米中の貿易摩擦の影響で、業界の風向きは変わってきてしまった。さらにここにきてコロナウイルスの感染拡大である。20年3月期業績は、上期が何とか横ばいで推移したが、下期は前年を下回り、通期では前年比3%減での推移を見込んでいる。その一方で、化粧品の製造受託部門の年間製造本数は前年比60%増で推移した。この数字は新工場を稼働したことによるものだ。先行きの不透明感は一気に強まっているが、同時に、こうした状況だからこそ『価値づくり』のベースとなる研究所の存在が大きくなるとの気持ちを強くしている」

顧客のモニター試験にも開放する「官能評価室」

 茨城第二工場は、危険物扱いの化粧品、非危険物の一般化粧品、エアゾール製品を1工場内で製造することができる生産ラインで、昨年末には一般化粧品の生産ラインを追加して生産能力を高めた。

 今後は、新研究所と工場の特徴を活かし、高付加価値な化粧品の開発を進め、ODM基盤を構築して成長につなげていく。

 尾上社長は「25年度までに化粧品OEMの売上を80~100億円規模に拡大していきたい」と話す。

 新研究所「価値づくり研究所」は、1階と2階に研究員同士が交流できる大部屋式(約20名)の実験室・居室を設けた。

 1階は、「オープンラボ」のほか、国内の各拠点や海外との対話が可能な「コミュニケーションルーム」、「保存安定性試験室(恒温室2部屋、恒温槽室)」などを配置。2階には、顧客のモニター試験にも開放する「官能評価室」に加え、気温や湿度などの環境変化に対応する「機能評価室」「乳化実験室」「微生物試験室」「細胞試験室」「ライブラリールーム(図書室)」を完備する。

 3階に設けた「future space」は、研究員の増員計画があることから「実験室」として使用可能な設備を整えている。

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